SLIDER 場外乱闘・番外編 写真のお話

 スケートをはじめとするストリートカルチャーを語る上で、写真は重要な要素のひとつだと思っています。僕自身も写真を始めて8年近く経ちましたが、そのきっかけは「ストリートカルチャーを撮影したい」という想いからです。「写真が好き」だだそれだけで突っ走り、8年という年月が過ぎてしましましたが、今ある僕の写真は、ストリートカルチャーを撮影する基本的な技術によって成り立っていると思っています。僕は有名フォトグラファーでもないし、写真がズバ抜けて上手いというわけではありませんが、熱狂的な写真好きのひとりとして、この場を借りて「自分が思う写真の話」をさせていただきたいと思います。

 スケートやBMXの写真の中には、単なる記録を超えた芸術性が表現されている作品が多く存在します。スケーターやライダーのトリックが説明され、記録として成り立っていながら、写真としての美しさも損なわない。その「記録」と「芸術性」というの要素が成り立つのがライディング写真の魅力のひとつではないでしょうか。僕も写真を撮り始めたばかりのころ、有名スケートフォトグラファーの写真を見て「なんでこんなにかっこいい写真が撮れるんだろう」と思いました。自分もまだまだ修行中の身ではありますが、地道にコツコツ勉強しながら写真を撮り続け、技術を身につけていくうちに、少しづつ自分の目指す写真へと近づいていると感じています。

 僕が通っていた写真の学校では、何かといえば「自己表現」や「芸術性」を求められましたが、ただ記録することが悪いというわけではないと思います。僕が写真を始めたばかりの頃は技術的に言ったら最悪でしたが、それはそれで少し年月が経つと面白くも見えてきました。Bボーイ気取りでオーバーサイズの服を着たヤツや、童貞丸出しの仲間。今となっては時代遅れのパーツやブランド…昔の写真を見返すと、それが面白く懐かしく思えてきました。当時自分が撮影した写真は、もちろんローカルの内輪でしか盛り上がらないものかもしれませんが、そのローカルを記録し続けることは非常に面白いもので、数年後に仲間から感謝されることもありました。その時になって、写真の「記録」という根本的な重要性に改めて気づかされました。当時の写真は芸術性こそ乏しかったかもしれませんが、記録としての価値はあったのではないかと思います。今はスマートフォンなどでも手軽に写真が撮れる時代ですから、みなさんも記録をしたらバックアップを取り、是非未来に写真を残して頂きたいと思います。
 いろいろと偉そうなことを言ってしまいましたが、写真は自由です。もちろん基本的な技術や作法はあるけれど、撮影方法は自由でいいと思います。そして写真は人と人を繋ぐことができるコミュニケーションツールとしても機能します。写真を撮ることでたくさんの人々と繋がることができ、感謝されることもあるからです。
 写真に興味のある方は、まずは自分が思うように自由に撮影して大いに楽しむことから始めてみてはいかがでしょうか? 写真仲間が増えていくことを願っておすすめします!