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VHSをチェックしている人なら、すでに多くの人は知っていると思いますが…
──祝 KOICHIRO UEHARA!!

2015.02.16

VHSをチェックしている人なら、すでに多くの人は知っていると思いますが、TBPRMAGENTA SKATEBOARDSで世界を視野に活躍する数少ない日本のスケーターのうちの1人、KOICHIRO UEHARAこと、上原”こーちゃん”耕一郎が、なんとETNIESのグローバルチームに加入したようです。

で、通常その様な話は各スケートメディアが伝えてくれるので、「そ~なんや~、凄いな~!!」くらいに若いスケーターの人は考えているかもしれません。

が、これは俺の知る限り日本初のとんでもない快挙だと思います!!

こーちゃん(URLを見ても分かる様に完全に本国オフィシャルサイトのチーム欄に名が上がっており、世界的知名度が1,2を争うスケーターとも言われるとライアン・シェクラーや、今、最も注目されているクリス・ジョスリンと同列の扱いになっているという事です。)

どういう事か説明します。
今の日本の現状で、海外ブランドのスポンサーがついていると言われている日本のスケーターは、あくまでも日本国内でその海外ブランドを販売する代理会社に認められているに過ぎず、実質海外本国のブランドの人にはそのライダーの存在すら知られていない場合も多いというのが実情です。
そんなこと聞くと本当のスケート業界事情を知らなかった若い人はビックリすると共に「なんなんそれ、インチキやん、ライダーちゃうやん!!」と思う人もいるかもしれません。
実際、俺も若かりし頃、そう考えたうちの1人でした。
というのも、俺自身も若かりし当時はそれらの業界の仕組みを知りませんでした。
なので、自分の好きだった海外ブランドを日本の代理会社によって自身がスポンサーして貰えるとなった時に、まるで自身も海外ブランドのチームの仲間入りをしたかのような誤解をしたのです。

ですが、時間と共に色々な業界の仕組みも理解し、その代理会社の人達はあくまでも商売上での海外ブランドとの付き合いでしかなく、俺自身が本当に海外ブランドの仲間入り出来る可能性がある分けでは無いと知ったのです。
なので、その事実を知った時には凄く大人に騙された気がしました。
今となっては俺が騙されたと感じただけで、その代理会社が俺に嘘をついた分けでもなく、その大人たちにとって不必要な情報を伝えなかったに過ぎず、正に大人の事情と言う奴かもしれません。

そういう事を理解しだし、何かが違うと感じていたタイミングで、今も所属し続けるイギリスで生まれたHEROIN SKATEBOARDSのライダーにならないかと、今度はHEROINの社長直々に声をかけて貰ったのです。
それまで所属していた、仮に世界的に認知度があるブランドでも単なる日本の代理会社から受けるスポンサーよりも、認知度が無くとも海外ブランドで本国から直々にオフィシャルで受けるスポンサーの方が自分にとっては価値があると考えました。
そして、それまでお世話になっていた代理会社からのスポンサーを受けるのを辞め、HEROINへと移籍したのです。

が、そこでも、まだまだ俺の知識不足もあり、俺の認識と現実とのズレがある事を知りました。
以前からここでも述べている様に「海外≠世界」だという事を当時は俺自身も良く分かっておらず、海外ブランドというだけでHEROINに価値を感じたのです。

当時、HEROINはヨーロッパを主にそれ以外は欧米圏の極一部でのみで認知度があったに過ぎない、世界中に何百とあるであろう海外のドメスティックブランドの一つに過ぎなかったのです。
現在だとブランドを立ち上げる事も容易になった為、ギアやアパレルのブランドも含め小規模な物も含めると、大げさでなく世界中には何千、何万ものブランドがあると思われます。
そのくらい、海外、さらに世界、へとステップを進めるには高いハードルを超えて行かなくてはいけないのです。

そんな中、日本の若い人達が認知しているのは、名実ともに大きなブランドか、もしくは何万とあるであろう、小、中規模ブランドの中で何かの縁で日本に輸出して商売してみたいと考える極一部のブランドを知っているに過ぎません。
ですが、俺が誤解していたのと同じく、一括りで海外ブランドというだけで憧れや先入観も入り、名実ある大規模ブランドとそれに対して数十、数百分の一程度であろう小中規模ブランドが日本の中で同列の様に誤解されているような実情になってしまっている部分もあります。
俺が言いたいのは、大きいから良い、小さいから悪い、と言う話ではありません。
実際、俺がHEROINに加入した時点では俺自身誤解こそしていましたが、その規模、実情が実は単なる海外ブランドの一つでしかないという事を理解した後も、その中身は社長やチームメイトと一丸となってブランドを盛り上げていく価値のあるブランドだと考えていました。
そして、十数年経ち、ワールドワイドディストリビューションであるBAKER BOYS DISTRIBUTIONの傘下に入った事により、超人気ブランドとは言えないまでも、全世界流通を持つワールドワイドブランドへと成長しました。

話を戻し、シンプルに何を言いたいかと言うと「日本には正しい情報が正しく入って来ていないという現実」を理解しないと発展はないという事です。

そんな本当の日本と世界の隔たりの理解をもとに、今回、こーちゃんがETNIESのグローバルチーム入りを果たした事がどれほどの事なのか、単に日本の代理会社のスポンサーを受ける事の何十、何百倍も快挙だという事を、まだまだ日本の若い人はピンときていない様に感じてしまいます。
この様な若い人の情報不足やそれに伴う勘違いは、俺も誤解していた当時から15年以上たった今も日本ではあまり変わっていない様に俺は感じています。

それは、大人の事情を自らベラベラ子供に話す様な馬鹿な大人が少なく、賢い大人が多かったのかもしれません。
ですが、それが馬鹿だと言われるなら俺は馬鹿で上等だと思っているし、その様な本当の物事を若い人達に伝えるために、この十数年という時間、代理会社とのしがらみをつくりたくないので自分や仲間達の努力、協力だけで世界を目指して来たのです。
流石に、お世話になりつつ大人の事情をベラベラ話す分けには行かないでしょうから(笑)。

ですが、世も移り変わり、代理会社も業界の成長と共に進歩しています。
自分達が抱えるライダーを世界に送り出す為のサポートを本気で考えてくれる会社もどんどん出てきました。
正に今回、こーちゃん自身の努力は大前提での事ですが、そのこーちゃんを世界に押し出すために本当の意味でサポートしてくれた代理会社や仲間達の協力はかなり大きかったようです。

それら業界の本当の物事を知って貰った上で、スポンサー獲得を目指している人には、本当に自分が獲得を目指すスポンサーが本当の意味でサポートを考えてくれているのか、慣例的にわずかな物品や金品さえ渡しておけばよいくらいにしか考えていないのか、をしっかり見極める事も大事だと思います。
昔であれば、その様な本気でスケーターをサポートしようとする代理会社の選択肢すら、かなり少なかったであろう状況だったのですから、今の心ある代理会社の人達の存在を考えると、かなり世界進出は容易になってきているのではないでしょうか!

という事で、改めてこーちゃん、おめでとう!!

INSTAGRAMアカウント CHOPPEROSAKAJPN
CHOPPER & THE OSAKADAGGERS オフィシャルサイト WHEV.COM

追記
去年の末、大阪で毎年行われるスケーターだらけの大忘年会で、DORCUS率いるヴェニス氏にある意見を頂きました。
と言うのも、「チョッパー、BLOGとかで「快挙!!」と自身を自画自賛する様な発言が目立つけど、あれは第三者が言うべきで、謙虚さに欠けるのでは?」との事でした。
知らない人に誤解の無い様に先に伝えておくと、ヴェニス氏とは古くからの付き合で、一般的に考えると面と向かって言いにくい事を、本人の為に良かれと考え歯に衣着せぬ意見を頂けるような交友関係で仲が悪いとかではないのでご安心を!
で、確かに友人にですら、そう感じさせている部分があるなら、知らない人が読むと更にそう感じさせてしまうかなとも思ったのですが、今回の記事がその一件と少し繋がるので追記します。
勿論、折角、ポジティブに頂いた意見に反論するものではなく、俺なりの考えも皆に理解して貰えれば有難いなと考えての事です。
今回の記事にもある様に、日本のスケーターが世界標準に追いつこうとした時に、やはり情報不足は否めないと思います。
実際、今回の記事を読んで貰った上で、こーちゃんが成し遂げた事に対する皆の認識と、俺のこの記事が存在しなかった場合での認識では、こーちゃんが達成した事実は同じであるに関わらず本文中にある様に、人によっては実際の成果の数十、数百分の一、程度に誤解してしまう所も多いのではないでしょうか?
俺が、この場で色々発言する目的は日本のスケートシーンを世界標準に近づけるべく底上げと発展を目指したものです。
ITが標準化された今、ちゃんと活用する能力の有無は大前提として、情報の質や量がどれほど重要かという事は皆も周知のとおりです。
大抵の世の多くの物事はググれば、ある程度であればすぐに調べる事が出来ます。
スケートでもトリックに関してのみなら、英語の出来ない日本のスケーターにもある程度同じ事が言えると思います。
が、スケートボードの世界は最新のトリックが出来るか、出来ないか、といった狭い二元的な世界観だけではありません。
例えば、何故、こーちゃんがグローバルチームに入れたのか?それはどのくらい凄い事なのか?といった事に対する理解が無いまま、国内ディストリビューションライダーと同列に、単にスポンサーがついた、つかなかった、で語られてしまうと、いつもでたっても本当に必要な情報を日本のスケーターは得る事が出来ません。
実際、今回のこーちゃんのワールドワイドブランドのグローバルチーム入りという快挙が、一般的な国内スポンサーを受けた人の仮に100倍凄い事だったのなら、正しく明確な情報である事を大前提に、量としても100倍拡散されるべきなのに、実際は100倍どころか10倍すら拡散されていないのが現実ではないでしょうか?
となると、必然的にそれではいつまで経っても世界標準との格差を埋める事はできないでしょう。
ですが、現実的にはそもそも世界標準と比べてどの程度の成果なのかを理解している日本のスケーターの存在が日本には少ないと思います。
その中で、俺は一般的な日本のスケーターと比較すると、かろうじて世界標準の情報を多く持っている数少ない存在であろうという立場からも、日本で数少ない世界に足掛かりをつくっているスケーターの成果がより適正、明確に伝わるべく声をあげて「快挙!!」だと情報拡散するべきだと考えています。
そして、何が?、どの様に?、どのくらい?他の平均的日本のスケーターの出した成果と違いがあるのかを明確に情報化し若い人達に伝えていくべきだと考えています。
かと言って、成果が100倍で情報量を最終的に100倍にしたいからと言って、俺個人が100倍の物量で情報拡散をするわけにもいかず、情報の質や声のトーンで極力、事実情報に近くなるよう努めるくらいの事しか出来ません。
それらの事情も総合的に踏まえ、世界標準の情報を持ち得る日本のスケーターが少ない中、日本のシーンの発展を考え自身や仲間達が出した成果を適正に正しく伝えようとした時に、第三者でその様な発言を出来る人が乏しいが為に、GOU MIYAGIやKOICHIRO UEHARAが快挙を成した事をお伝えするレベルで同じくCHOPPER&THE OSAKA DAGGERSが快挙を成した事実を客観的に情報拡散しているというのが俺の立ち位置です。
なので、今後も俺や仲間達がなんらかの成果を出した場合には、自画自賛と思われようがお構いなく、真の日本のシーンの発展の為に必要な情報は適正にお伝えしていこうと考えています。
諸々、理解していただけると幸いです。

CHOPPER
中村泰一郎:ナカムラ タイイチロウ
日本で唯一の国際プロスケートボーダー。
世界流通を持つBAKER BOYS DISTRIBUTIONの傘下ブランドHEROIN SKATEBOARDS所属。
世界流通で定期的にプロモデルをリリースしている。
世界的に知る人ぞ知るOSAKA DAGGERSのリーダー。

INSTAGRAM:@CHOPPEROSAKAJPN
FACEBOOK:中村泰一郎(CHOPPER) 
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