Special columns written by skaters
スケート識者たちが執筆するスペシャルコラム
DAISUKE MIYAJIMA

M×M×Mの敏腕スタッフにして自称映像作家のジマこと宮島大介。
伝家の宝刀Fs 180フリップをなくした今、どこへ向かっていけば
いいのか迷走中。本能の閃きをたよりに書き綴る出口なしコラム。

第26回:3 IS A MAGIC NUMBER

 「好きな数字は?」という質問がよくありますが、よくよく考えてみると「これって聞いてどうするの?」と思ったことないでしょうか? しかしながら大抵の人はこれに対する答えを持っていて、その数字とそれに対する理由なんかも即座に答えることが多いです。他人の好きな数字を聞いて何が面白いの? とも思いますが、その答えを聞くと「へ~」とか普通にうなずいちゃったりするんですよね。なぜなんでしょうかね? そういう自分にも好きな数字はあります。それは「3」です。正確に言うと3とその倍数。
 僕の親父は3人兄弟の次男坊です。その息子の僕も3人兄弟の次男坊です。それが最初の理由だと思うんですが、3という数字がなんとなく好きだなと思っていました。やっぱふたりよりも3人の方が「3兄弟」とか言われて響きもいいし、団子だって3兄弟だし、オリンピックで表彰台に立てるのも3人までだし…。ふわっとしてはいますが、3がいいなと思っていました。
 10代中頃でスケートボードに出会ってGirlの『Mouse』というスケートビデオを初めて観た時に、イントロで流れる映像に目が止まりました。いきなり映画が始まったかのような見栄えで台詞は一切なく、マイク・キャロルが扮するハンバーガー屋さんのスタッフがネズミにバイクで店まで送り届けてもらい、仕事が終わる時間にネズミがまた迎えに来るという設定なんですが、このネズミがまたアホで、街中でスケートしすぎて迎えに行く時間を忘れてしまうというなんともホッコリするイントロです。面白いなぁと思って何度も見ていると、そこで流れる曲も耳に入ってきます。曲の冒頭では「3 is a magic number」と言って3の段の掛け算をひたすら歌う曲なので、アメリカの子供用の教育テレビとかで流れている曲なんだろうな、とか勝手に想像していました。
 しかし自分が20代でアメリカに住むことになり英語を知って行く中で、その曲を聞き返してみると歌詞の中で気になるフレーズを見つけました。

A man and a woman had a little baby
Yeah they did
And there were 3 in the family
And that’s a magic number

男と女が赤ちゃんを授かって
家族は3人になった
それがマジックナンバーだよ

 歌の中では他にも過去と現在と未来、心と脳と体、など3つで構成されるものを連呼します。なんとなく好きだったものが「神秘的だから好き」という確固たるものに変わったのを覚えています。それから理由は探せば後から後から出てきました。
 格闘技の試合などで決着がつかずに判定にもつれ込んだ場合、ひとり目のジャッジとふたり目のジャッジで意見が割れた場合、3人目のジャッジに委ねられ必ず決着がつきます。なるほど、そういうことか。やっぱ「3」なんだな。
 ひとりだと孤立しちゃうしふたりだとどうしても対立しちゃう、でも3人いると何とかなる。例外はたくさんあると思いますが、大抵の場合、調和が取れる一番小さい数が3なんだと思います。当時同じ家を3人の友達でシェアしていたことがありました。1年ほど一緒に住んだ後、僕が引越しをして他のふたりがその家に残ったんですが、そのふたりはすぐに喧嘩をしていました。なるほど、そういうことか。やっぱ「3」なんだな。
 よく自分の3兄弟と酒を飲むんですが、待ち合わせて僕とふたりだけだと割りと静かにしていた弟、後から兄がそこに加わると話が一気に広がります。酒も入ったせいか弟は熱く語ります。「1ってただの点だけど2になるとそれを結ぶことができて点が線になる。だけど3になってそれを結ぶと三角形になって空間ができ、それは無限に広がることができるんだよ」。なるほど、そういうことか。やっぱ「3」なんだな。
 気がつけば僕にも娘が3人いるし、仕事はMxMxMってMが3つだし、いろいろお世話になる数字なんだなと。また、自分の好きなものや関わるものには必ずどこかに3が隠れている! と思ってスケートボードに3を探しましたがウィールは4つだしトラックはふたつ、デッキはひとつだし全然無理でした。あ、でも「自分」と「スケートボード」と「スポット」これで3だ! なるほど、そういうことか…。いや待て、でも仲間だっていないと。スケートはやっぱメンツが重要だしな…。閃きは無駄に終わりました。
 ちなみに『Mouse』のイントロのハンバーガー屋さんはあの有名なIn-N-Out Burgerなんですが、アメリカ滞在時代に住んでいた家から歩いて5分ほどの場所にある店舗で、それを発見した時にスローモーションでマイク・キャロルが脳内をよぎったことは言うまでもありません。しかしこの映像、どうやら店側に訴えられたらしくYouTubeの映像では店のロゴマークがうまいこと(かな?)隠されています。映像の中でマイク・キャロルが外のテーブルのゴミを片付けたりするシーンがあるんですが、んじゃそれって許可なしで勝手にやって撮影していたの? もしくは店員に友達がいてそいつにゴリ押しでお願いして強行突破したとか? 細かいことはわかりませんが、とにかく面白いイントロ映像なんで観たことない人はフルビデオをどうぞ。

NIXON – THE REGULUS NEW COLORWAY
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