Special columns written by skaters
スケート識者たちが執筆するスペシャルコラム
HIROYUKI WAKABAYASHI

1969年生まれ。
BEERとHARDCORE PUNKをこよなく愛す自称スケーター。
趣味はGRINDとTHRUSTER。

第11回:スケートブーム?

 スケートボードが2020年の東京オリンピック競技に決まってから新聞やTV、インターネットなどで取り上げられる機会が増え、以前にも増して目にすることが多くなりました。スケートボーダーの人口は日に日に増え、週末に公共のスケートパークに行くと来場者の多さに驚くこともあります。’60年代に世の中に登場して以来度々ブームになったスケートボードですが、果たしてこのオリンピック効果によるスケートボーダー人口の増加は、再びスケートブームとなるのでしょうか?
 自分が初めてスケートボードに出会ったのは1978年頃でした。第2次スケートボードブームと言われた時代で、スケートボードとローラースケートがすごく流行っていました。雑誌、映画、TVで頻繁に取り上げられていたので、子供だった自分でも目にする機会がよくありました。この時はスケートボードとローラースケートが一緒にアメリカ・カリフォルニア発信のカルチャーとしてファッションも含めブームになっていたと思います。当時、渋谷駅前にあったビル(現ヒカリエの場所)の屋上にカルフォルニアパークというかなり本格的なスケートパークもありました。渋谷の一等地に営利目的のスケートボード施設があったことから、当時のスケートボーダー人口が多かったことと需要の多さが伺えます。
 スケートボードの話ではありませんが、10歳の時、1978年に自分はアメリカに行く機会があり年齢制限無く入場可能なローラーディスコに連れて行ってもらったことがあります。お店はシアトルの郊外でしたが、比較的広い場所にものすごく大勢の人がいて、子供から大人までローラースケートを履いた人たちでフロアが満員だったのをよく覚えています。この時アメリカで流行っていたものがオンタイムで日本でも急激に流行ったことは、まさに“ブーム”といった印象でした。
 ’80年代後半に自分は音楽を通じてスケートボードに再び出会いました。スケートボーダーが好んで聴くハードコアパンクやHip-Hopのカルチャーが混ざり合ったクロスオーバーファッションをスケートボーダーは好んでいたので、ファッション面が特に取り上げられてスケートボードが流行しました。スケートボードとスケートボーダーが好む音楽を掲載するThrasher誌を当時日本のファッション誌が取り上げたことがきっかけで、スケートボーダーはなぜか「スラッシャー」と呼ばれるようになりました。少し古い呼び方かもしれませんが、●●族とかチーマーと同じような扱いをされていたのでした。スケートボードがひとつのファッションアイテムになり、板を持ったいわゆるポーザーを街中で見かけることもあり、スケートボードを持って電車に乗ると「あっ! スラッシャーだ」と指を差されることもよくありました。当時奇抜に見え、物珍しいファッション面が注目され急激にスケートボードが流行ったのでブームには違いなかったと思いますが、’70年代後半のそれとは違い、子供から大人までという幅広い年齢層ではなく、10代後半から30代位までの人たちの間で流行っていたようでした。対象年齢層が遊び盛りの若者たち中心だったので、夜に営業するスケートボーダー向けの施設も登場しました。1987〜88年くらいまで営業していたプールバー&インドアスケートパークのLA Clubは三軒茶屋が有名でしたが、実は他にも支店がある大きな規模のお店でした。繁華街から離れた代々木初台にはスケートスペースのあるバー、カフェドフリッツのような規模は小さいけど滑ることができるお店もありました。このようなインドアスケートパーク兼飲食施設は夜中も営業していたので、お店を訪れると有名人に遭遇することもありました。ファッションからスケートカルチャーに入る人たちが多かった当時ならではの風潮だったのではないかと思います。この時のブームは’90年代前半まで続きました。ブームが落ち着く頃にはスケートボードは多くの人たちに認知され状況は変わりました。
 今オリンピックに向けてスケートボーダーの人口は増加しています。人口の増加は決していいことだけではないとは思いますが、最終的にはスケートボードシーンへ何かしらの還元があるので、結果的にはいいことではないかと自分は考えています。またスケートボードを取り巻く環境も以前では考えられない程大きく変わってきています。このシーンの動きを第6次スケートブームという人もいます。しかし自分はこれはブームだとは思っていません。昔と今では人々のスケートボードに対する認識が変わっていて、多くの人がスケートボードがどのようなものなのか知っているので、珍しいものに多くの人が飛び付き急激に流行るようなことはないと思います。そして最近になってスケートボードを始めた人たちはスケートをスポーツと捉えている人が多いので、ポーザーではなくちゃんとスケートボードをする人たちが増えているのだと思います。以前起こったブームのように、一気に流行して廃れるような気配は感じられません。
 人それぞれ考え方がありますが、自分はスケートボードはスポーツだとは思っていません。オリンピックによる競技化はスケートボードの可能性が広がると思うので反対ではありませんが、スケートボードは元々ルールがなく自由なものなので、オリンピックのためにルールを決めスポーツになることに対して窮屈に感じる部分もあります。自分はスケートボードの自由な発想を通して生まれるカルチャーが好きです。ブームは一過性の物で廃れてしまいますが、勢いがあるので何かが生まれる可能性があります。自分はブームというと軽薄な印象があって好きではありませんが、スケートボードカルチャーのベースができている現代にブームが起きれば、もしかしたらすごいことが起こるかもしれません。そういう意味では逆にスケートボードのブームが起こっても面白いのではないかと考えています。

 

スケボー・メガ・ゴーゴー
流行を感じさせられるスケートボードクラブイベントの先駆けでした。フロアでのスケートコンテストには無理がありましたが、当時のスケーター友達はみんな文句を言いながらもコンテストに出ていたのを覚えています。

 

『オクトパスアーミー シブヤで会いたい』
’90年公開の映画。内容はさておき当時の日本のトップスケーターがほぼ全員出演していたというのは驚きです。みんないつも撮影と言っていたのを思い出します。

 

『SWOOP SKATERS』
何と1991年にPony Canyonが発売したスケートビデオ。スケートムービーというよりイメージビデオです。サウンドトラックは藤原ヒロシ氏、ジャケットはSKATETHING氏が担当しています。こちらもかなりのメンツが登場します。

 

ローラーディスコ
かなりレトロに感じる映像ですが自分が行ったローラーディスコもまさにこのような感じでした。アーケードゲーム機が白黒の時代でAtari社のAsteroidsがやたら上手い青年がいたのを覚えてます。

 

Cons Brazil Big Pool Day 2017
ブラジルで開催された競技用スイミングプールを使用したコンテストです。バンドあり、コンテスト内容もガチガチの競技ではなく、それでいて規模が大きい、これからを感じさせられる内容です。流行というより盛り上がりを感じます。
NIXON × SANTA CRUZ COLLECTION
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