青天の霹靂

 “必要は発明の母”とはよく言ったもので、スケートボード関連でもスケーターのフィードバックから生まれたたくさんの小物類があります。古くはリップグリップやレールバー、最近だとカナビラのスケートレンチとかデッキテープの汚れをとる消しゴム(?)とか。そんな便利アイテムの中でも、青天の霹靂といっても過言ではないスケート界の大発明が、“スケートワックス”だと個人的には思っています。あのゴリゴリ縁石をスムースバターに変えてくれる固形のワックスです(最近はスプレー式もあるみたい)。
 今でこそ、スケートパークに行けば誰かしらひとりは持ち歩いている標準アイテムなのですが、そもそも誰が作ったん? って素朴な疑問がわいたので、スケート雑学王の某A社勤務の油膜に聞いたところ、Consolidatedの社長であるBirdoがコンソリ創業前に世界で初のスケートワックスを開発し、Shorty’sが一般的(スケーター界)に定着させた、とのことです。なるほど、どおりで両者ともにいいモノを作っていらっしゃる。
 古い話で恐縮ですが、自分がガキだった頃はスケートワックスなるものが存在しなかったので、少ない情報の中で「サーフボードの滑り止めに使うSEX WAXを縁石に塗るのがいい」とのことでSEX WAXを縁石に塗りたくったものです。そもそも滑り止めに使うモノを滑らせるために使うってのが「自分を客観視する」と同じぐらい矛盾しているぞ! って突っ込みもありますが。SEX WAXの次はローソク、石けんなど、とりあえずコンビニで手に入る固形ものをあれこれ試したのですが、グラインドはある程度滑るのはいいけど靴底に付着したカスがデッキテープに付いてしまい、違う意味で滑りやすくなってしまうのがネックでした。
 石けんの銘柄によっては大雨が降ると縁石が泡立つという世にも奇妙な現象もあちこちで見受けられました。まあ、今となってはどうでもいいことなのですが、スケートワックスの誕生は、当時は業界を震撼させるビッグインシデントだったのです。終わり。

─KE

 

Nixon x C.R. Stecyk III
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