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NIXONとのコラボTEE、スケートフォトグラフフィやスケートシーンについて
──GRANT BRITTAIN

2014.07.24
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30年以上のキャリアを誇るスケートフォトグラファー、グラント・ブリテン。スケート史のほぼすべてを見守ってきたと言っても過言ではないレジェンドにNIXONとのコラボTEE、スケートフォトグラフフィやスケートシーンについて聞いてみた。
[JAPANESE / ENGLISH]

Interview by VHSMAG Photos courtesy of Grant Brittain and NIXON
 

VHSMAG(以下V): 今回、NIXONのフォトTeeに提供した写真はどのようなものでしょうか?

Grant Brittain(以下G): NIXONに提供した写真は3枚。’88年に日本で撮影したピエール・アンドレ。’80年代に撮影した、テールにデルマー・スケートランチのステッカーが貼られたトッド・スワンクのデッキ。そして同じく’80年代に撮影したソリトンシーボウル。

V: 影響を受けたフォトグラファーを教えてください。

G: スケートを撮影し始めたのは’79年だったから、主にスケートフォトグラファーに影響を受けた。スケート誌に掲載されたウォーレン・ボルスター、クレイグ・ステシック、ジェームス・カシマス、ジム・グッドリッチ、テッド・テレボーン、グレン・フリードマンらの写真を見て勉強したんだ。誰も教えてくれる人がいなかったから、基本的に独学ですべてを学んだ感じだね。1年半ほどして大学で写真を専攻し、スケート以外から影響を受けるようになる。ラルフ・ギブソン、ウォーカー・エヴァンス、リチャード・アヴェドン、アーヴィング・ペン、アンリ・カルティエ=ブレッソン。20世紀を代表する名フォトグラファーたちだ。私は彼らからの影響で現在のスタイルを確立させたんだ。

V: 写真を撮りたいと思う原動力はどこからくるのでしょう?

G: スケート、スケーターやフォトグラファーと一緒にいることかな。私はつねに動いているものが写真の中で静止したときにどのように見えるかを考え、最適なアングルやライティングを探っている。毎回、前回の写真よりもいいものを撮る努力もしている。同僚たちもモチベーションの源になるね。

V: これまでに撮影した写真の中でもっとも印象深いものは?

G: 何枚かお気に入りがあるね。『Animal Chin』のハンドプラント、ポールカメラで撮影したクリス・ミラー、クリスチャン・ホソイのパワースライドなど。撮影したその素晴らしい1日を思い出させてくれる写真。あの古き良き時代を思い出させてくれる写真。わかるだろ?

V: これまで撮影してきたなかで一番フォトジェニックなスケーターは?

G: スタイルがあるスケーターを撮るのが好きだ。スタイルは、実際のアクションと同じく大切なんだよ。そのスタイルで写真の良し悪しが決まる場合もある。クリス・ミラーとクリスチャン・ホソイが史上最高のスタイルを持っていると思う。彼らの写真は、すべて最高のものばかりだ。

V: 今一番撮影したい、撮影していて楽しいスケーターは?

G: 仲間を撮影するのが好きだね。そのほとんどが20年以上の付き合いの友人ばかりだ。デルマー・スケートランチの時代から撮影していたヤツら。ミラー、キャブ、ホーク、アンディ・マック、バッキー・ラセック、オーウェン・ニーダーといった連中。

V: 撮影する際に心がけることは?

G: ベーシック、写実的、シンプルな背景、基本的なライティング。写真を撮り始めたのと雑誌を作り始めたのが同時期だったから、スケートを撮るときは雑誌のレイアウトを考えて構図を決めることが多いね。

V: 撮影機材を教えてください。

G: フルフレームセンサーとボディが軽量という理由でCanon EOS 5D。そして16mm、50mm、16-35mm、200mm F2.8のCanonのレンズ。安くて携帯しやすいからQuantum QFlash。フィルムと使うときはHasselbladかLeica。他にもいろんなメーカーのものやトイカメラを使うこともある。でも、機材なんて何だっていいんだ。最高の機材で最悪の写真を撮るフォトグラファーが巷にあふれているからね。

V: あなたの作品のスタイルや撮影の好みについてお聞かせください。

G: シンプルで基本的な写真が好きだね。「過ぎたるは及ばざるがごとし」だ。

V: フォトグラファーになって良かったと思える瞬間は?

G: その瞬間は30年前とまったく変わっていない。フィルムを現像に出して、2日後に戻ってきたフィルムをライトテーブルに広げる。その中に魔法のような1枚を探すんだ。その1枚を見つけたときが最高の瞬間だね。その感覚は今も同じだ。ただ、暗室やライトテーブルがPhotoshopとなり、待つ時間も劇的に減ったけどね。

V: 良いフォトグラファーになる秘訣とは何でしょう?

G: スケーターであることと、スケートを理解していること。カメラを構える場所やシャッターを押すタイミングだけでなく、スケーター特有のアティチュードやフィーリングを理解する必要がある。ただアクションを撮影するフォトグラファーに我々の魂を写し出すことなんてできない。彼らが撮る写真は部外者が撮ったものでしかない。新聞に掲載する分にはいいけど、スケート誌では到底使える代物ではない。

V: スケートボードメディアを運営していくにあたってもっとも大切なことは?

G: 雑誌、ウェブサイトやソーシャルメディアを運営するにはクリエイティブなチームが不可欠だね。ひとりでできるものじゃないし、ひとりだと長続きしない。人の意見を聞くことと、コミュニケーションを取り合うことも大切。エゴを捨てて全体を見て、全体にとって最善の選択をする必要がある。

V: 30年前にキャリアをスタートさせたときと今のスケートシーンの違いは?

G: 質より量の時代になってしまったね。みんな先を急いで、さまざまな媒体の要求を満たそうとしている。ゴミみたいな写真やビデオ、文章が質の悪い雑誌やBlog、Instagramなどにまき散らされている。スケートフォトグラファーも怠慢になって、守られるべきルールが無視されている。誤解してほしくないのは、なにもデジタルがダメと言っているわけではない。ただ、現代には歴史に残る写真が極めて少ないということ。

V: 日本で撮影したい場所や被写体などあったら教えてください。

G: アキ秋山。ヤツはどこでなにをしているだろう? 新しい足でまたスケートができるようになったらデビルマンこと西岡昌典を撮りたい。Osaka Daggersもいいね。あとはCBとECのHeshdawgz。ECは69歳なのにスケートをしていて最高だ。でも、今回撮影したのは息子のセージだけなんだ。まだ19歳のスケーターで毎日滑っている。

V: 今後の予定は? 取り組んでいるプロジェクトはありますか?

G: まだ雑誌を続けて写真展を開催していく感じだね。自分の作品をコンパイルした写真集も出す予定だ。8月になったら集中して取り組むよ。

 

Grant Brittain

1979年に写真と出会う。’83年にフォトエディターとしてTransworld SKATEboardingの立ち上げに貢献し、’03年にThe Skateboard Magを創刊。30年以上のキャリアを誇る伝説のスケートフォトグラファー。
@jgrantbrittain

 

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