アメリカン不良オヤジ

 スケート歴30年以上、小学生の頃より止まることなくスケートに明け暮れプロとしても活躍、40歳を過ぎた今もなお攻め続けるとあるスケーターが言いました。「今の若い子たちのスケートはスポーツになってて少し可哀想だ」と。確かに技術的には進化しているものの、クリエイティブさに欠けるということ。いくらすごいトリックをメイクしたって、それは昔からあるトリックやそのコンビネーションでできあがったものであり、新しい乗り方をしたものではないと。さらにつけ加えると「’80年代や’90年代初頭においては次々と新しいトリックが開発され、誰が最初にやった、誰が考えた…というのをみんなが追いかけていた」と。その人に言わせるとスイッチの概念を押し広げたサルマン・アガーだったり、ストリートスケートの幅を広げたマーク・ゴンザレスの方がよほど崇高なのだ。
 表舞台に出ることは稀になってしまったが、デュエイン・ピータースもそんな道を切り拓いてきたスケートボーダーのひとり。僕が生まれる前からプロとして活躍し、コンテストはもちろんプールやボウルで数々のトリックを開発。「マスター・オブ・ディザスター」の異名を持ち日本でいうところのガムチョップを始め、レイバックグラインドやスイーパー、アシッドドロップなどが彼のシグネチャートリック。また失敗し鎖骨骨折に終わるも、ボブ・バーンクイストが初めてやってのけたようなループをスケート史上初めてトライした映像や写真も残されています。
 そしてスケートボードにとどまらず、パンクロッカーとして成功したひとりでもあります。U.S.BombsやDuane Peters And The Handsといったバンドのフロントマン。名門パンクレーベルのHellcat Recordsから数枚のアルバムに加え数々の音源をリリース。収録された楽曲はスケートビデオのBGMとしても使用されているので、音の感じに聴き覚えのある方も少なからずいることでしょう。なお、バンドは現在活動休止を経てメンバーを新たに再活動中とのこと。スケーター、そしてパンクロッカーとしていちファンである自分としては嬉しいこと限りなしであります。
 私生活においては、ドラッグに溺れて死にかけたり、また当時二十歳の息子を自動車事故で失くし悲しみにくれ自身も銃を咥え自殺を図ったり、愛人への暴行で保護観察処分を受けたりと順風満帆ではない模様。それでも60歳という年齢を目前に控えるもスケートをし、パンクロッカーとして各地を巡り「オレは純粋にパンクロッカーでありスケートボーダー」というメンタリティを体現しておられます。「歳を取って何もできなくなる前に、今の若いうちしかできないから…」とはよく聞く言葉ですが、それでもまだまだ先は長くやれることはたくさんあるはずだと希望を持たせてくれる。デュエイン・ピータースは最高にイケてる不良オヤジなんです。

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 

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