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 ここ最近、スケーターの電撃移籍の話題をよく耳にしますね。オーストラリ…
──JACK CURTIN

2015.11.27
 ここ最近、スケーターの電撃移籍の話題をよく耳にしますね。オーストラリアの至宝、シェーン・オニールはすでにNike SBでチームメイトとしてともに活躍しているポール・ロドリゲス率いるPrimitive Skateboardingの最終兵器として配備されました。もう敵無しです。そしてみなさんもすでにご存知の通り、先日ガイ・マリアーノとエリック・コストンのふたりがGirlを脱退したという衝撃的ニュースが世界中のスケーターにアナウンスされ、勢いそのままにマリアーノまでもがいよいよ、というか満を持してNike SBチームに合流しました。こうなってくると年末に発表されるSOTY(スケーター・オブ・ザ・イヤー)受賞レースのタイミングに合わせ、マリアーノがまたまたとんでもないビデオパートをNike SBからドロップするのではないかと勝手に勘ぐってしまうわけです。
 振り返ってみれば1993年に、当時の既得権層の運営方針に不満を感じた若き才能たちが、リスクを恐れず自らの手でスケートボードカンパニー立ち上げ、スケーターによるスケーターのためのビジネスモデルを確立した代表格ともいえるカンパニーに発足当初から在籍していたふたりがそこを離れるのは、ひとつの大きな時代の転換期なのかなとも思います。

 そんな最近の流れの中で実はもうひとり、個人的に大好きなスケーターの移籍がありました。そのスケーターとはチーム発足当初からおよそ12年間、スティービー・ウィリアムスやマーカス・マクブライドらとともにDGKを牽引し、先日Skate Mentalへの移籍を果たしたジャック・カーティンです。その支持層の多くがアフリカ系アメリカ人であろう、業界を代表するいわゆるB系カンパニーの中で確立された彼のスタイルはまさにフレッシュそのもの。スイッチトリックや難易度の高いマニュアルトリックはもちろんのこと、ステアやハンドレールにも果敢に挑むそのスタイルはチームの中でもトップクラスの対応力で、初めて映像を観たときからずっとお気に入りのスケーターです。
 そんな彼は昨今、カンパニーの運営方針やチームの方向性に疑問を感じていたようです。そしてチームの団結力を高めるようなツアーもなく、ただブランドのために身体を酷使することを要求するカンパニーサイドとの意思疎通が難しくなり、脱退を決意したようです。カンパニーの待遇面云々よりも、自分がなぜそのチームに在籍し、そこで自分がするべきことは何なのか? そしてそれができないのであれば潔く身を引く彼の姿勢に、改めて好感を持ちました。
 そんな彼はつい最近、自身のクロージングスポンサーであるLRGの最新ビデオ『1947』でボードカンパニーのそれとなんら変わることのない良質なビデオパートを披露してくれています。もしまだ観ていないという方は、是非ご覧になってみてください。そして今回、彼の過去の映像をご紹介しますので今一度チェックしてみてください。スケートもさることながら、毎回実にセンスよく飾られる彼の足元も要チェックです。

--Takayuki Hagiwara (Fat Bros)

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