ライセンスビジネス

 「スケートやってなさそうな人がThrasherの服を着ているのをよく見るんだけど、何で?」 留学や旅行で日本に来た外国人スケーターからそんな質問を2、3度されたことがあります。「ヤツらが着ているのは大人の事情で日本の街中に溢れているThrasherなんだよ」と伝えたいのですが、僕の英語のレベルだと「アレはフェイクみたいなもんでね」と言うのがやっとだったりします。大人の事情とはつまりライセンスビジネス、日本国内の会社が本家のThrasherにそのロゴやグラフィックの使用料を払い、それらをあしらったグッズを販売するということ。ライセンスビジネス自体はビジネスの方法として確立されたものであり、日用品だけでも実に多くのモノが販売されています。ただ、量販店での取り扱いも増えたThrasherはこの国では「アパレルブランド」という認識で増殖しすぎてしまったのか? スケートボードと何ら関係なさげなブランドとのコラボグッズが街にもネットにも出回っている。今に始まったことではないですが、何かがおかしい…。
 またこんなことも。以前バイトしてた店にいた年下の女性社員が僕の被っていたキャップを見るなり「Thrasherとかも知っているんですねぇ」と。「あっハァァァン!? こちとらスケーターが知らねぇなんてワケねーだろがこのバッカモンw」という魂の叫びは口にはせず、「知ってますよ〜! もともとはスケボーとかそんな感じだからねぇ、デュフフ」とあくまでもお手柔らかに(相手の自尊心を傷つけることなくスケートボードがルーツであることをそれとなく伝える自分、ナイスジェントルマン!)。
 このような形で日本のアパレル業界に参入してきたスケートブランドは他に有名なものだとBitch Skateboardsなどいくらかありましたが、嘆くべきは日本で企画・販売されるそれらからはスケートボードの熱いマインドを感じられない上、巷ではアパレルブランドだという誤認識がまかり通っているということ。スケーターのほとんどが何らかは持っているであろうThrasherのグッズ、みなさまがお持ちの物はリアルなモノですか? スケーターたるもの、本物志向であればやはり「スケートブランドのプロダクトは量販店のアパレルコーナーじゃなく信頼のおけるスケートショップで買う」。これに尽きます。「そもそもスケーターじゃないヤツがスケートのモノ着てんじゃねぇ!」。そんな意見ももちろん共感できるんですが、いいんですいいんです。誰が何を着ようがその人の勝手。ただスケートブランドに関してはそれが最も似合うのは他でもなくスケーターであり、ファッションじゃなくてスケートボードが土台、そこんとこヨロシクという話。
 ちなみに「ここでスケボーはやめた方がいいですよ?」 街でスケートしてたらThrasherのTシャツを着た男に注意されるのもメイク済み。うーん、こりゃ外国人スケーターも困惑するワケだ…。

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 

NIXON – THE REGULUS NEW COLORWAY
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