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この人を知らないスケートライフは不幸
──PHIL SHAO

2015.08.21

 ハッキリ言ってしまいますが、このスケーターの存在を知らないスケーターのスケートライフは不幸だと思います。
 「真のスケートボーディングとはいつ、誰のスタイルで完成されたのか?」という究極の質問を投げかけられたなら、僕は彼のそれが最もそこに近づいたスタイルのひとつなのではないだろうかと、彼が過去に残した映像や写真を改めて確認している今、強く思います。
 明日8月22日は、そんな偉大なスケートボーダー、フィル・シャオが18年前、この世から去った日です。
 '90年代後半にウェイド・スペイヤーやダン・ドレホブル、我らが日本からは長島 亘くんらとともにThink Skateboardsの黄金期を支えたオールラウンダーで、当時のチームの中では最も対応力に優れたスケートスタイルで、トランジションはもとより、レッジやスイッチ系のフラットトリックもスムーズにこなしていました。ほぼ完璧と言っていいスタイルを持ち合わせた彼は、数々のデモやコンテストでもその存在感を遺憾なく発揮し、当時の雑誌のカバー写真やビデオマガジンで幾度となく興奮させられたのを今でもはっきりと憶えています。
 ヘッシュかフレッシュか? フラットかトランジションか? パークかストリートか? HDかVXか? 不良か優等生か? そんな本質的には実はどうでもいいことで僕らは時々、自分の可能性に勝手な境界線を引いて、スケートが持つ本来の魅力を見落としたまま先に進んでしまうことがあります。何を隠そう、偉そうにこんなこと書いてる僕自身もそんな愚か者のひとりです。そんな未成熟な青二才スケーターの僕に、彼はスケートすることの本当の素晴らしさをその生き様で示してくれた偉大な先生です。大げさに言えばそれは人生において、「どのような人間として生きていくことが望ましいこと」であるかを教えてくれたのです。それは具体的には、夢中になれる建設的な何かを自分の感性で探し出し、それを慈しみ大切に持ち続けていくことであり、またその思いを共感できる友人に出会うこと、そしてそのことには初恋の女性に対するがごとくつねに誠実であり、またそれと同じくらい家族に対しても誠実であり続けること。僕の場合はそんなところです。
 しかし現実には、僕は彼と直接話したことも一緒にスケートしたこともありませんので、僕が彼から学んだことというのは、一方的な情報とそこから膨らませたイメージによるものでしかなく、ここに確証を示すことはできません。それでも彼が残した軌跡、すなわち今回紹介している映像とそこから垣間見ることができる彼の、少し短かかったけれど充実した人生を思うと、やはり僕はそこにひとつの確信を持つことができるのです。

--TH (Fat Bros)

 




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