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「面白いスケートビデオ」についての考察
──SKATE VIDEO PHILOSOPHY

2016.09.02

 スケートボードにとって行為そのものと同様に、その魅力を第三者に理解してもらう上で大切な要素のひとつがビデオ制作であることは言わずもがなの真実であります。そしてこのスケートビデオというものも撮る側はもちろんのこと、被写体となるスケーターの個性や美意識のカラーに比例して実にさまざまなアイデアやアプローチでもって制作、発表されるわけですが、そんな中でいわゆる「面白いスケートビデオ」とは一体どういうものなのか? そこに定義はあるのか? そんな普段何気なく観ているスケートビデオもよく考えてみると、そこにひとつの哲学的な問いを見出すことができるわけです(大袈裟か)。
 今回、僕の個人的なスケートビデオに対する好みは一体どのくらいみなさんのそれとある種の哲学を共有できるのかってことが知りたいので、以下に僕が考える面白いスケートビデオというものが備えるべき要素をいくつか上げてみます。
 まず撮影機材の性能は、作品の良し悪しを決定付けるものではないと思います。どんなに高価な機材で撮影しても20年前に制作された映像に内容で及ばないということが事実あります。しかし、一昔前の機材を敢えて現代に取り入れて撮影したら無条件でいい映像が撮れる、ということでもありません。
 そして先の内容にも関わってくることですが、スケートを生業とするプロスケーターと、それを撮影することを生業とするいわゆるプロのフィルマーのコンビが撮影したスケートビデオが必ずしも最良のスケートビデオではないということです。誤解があるといけないので断っておきますが、最高のスキルに難癖をつけるわけではありません。今書いているのはあくまで「面白いスケートビデオ」に関することであって、技術的なことではありません。
 ではどんな状況下で撮影されたスケートビデオが僕は面白いと思うかというと、それは映像を通じて同じスケーターとしての共感や親近感を、観る側のスケーターがその技術的なレベルに関わらず感じて楽しむことのできる作品なのではないかと思うのです。
 スキルの高さや精度に加え、考え抜かれたアングルや撮影センスに裏打ちされた作品がすばらしいのはもちろんですが、僕が最も心奪われるのはスケートのもっと生々しい部分。例えばフッテージの後ろに映り込んでいるクルーや他のスケーターたちの絶妙な仕草や歓声、路上の騒音や通行人様のありがたい罵声なんかがそのまま作品を構成する要素として組み込まれていたりするものや、撮る側と撮られる側との、利害関係だけでは決して構築できない信頼関係が映像を通して伝わってくるような(気がする)ものです。とはいえ、撮影のイロハのイの字も理解していない手ぶれ満載で、車酔いに似た症状を観ている側がおこしてしまうようなモノは論外ですが。
 そのへんを踏まえた上での究極を言わせてもらうと、フレンズパート的な感じで撮影・構成されたフッテージがどうやら僕は大好物なようです。

─Takayuki Hagiwara(FatBros

 

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