SKATE SHOP

 お店で働くといってもいろいろですが、僕の場合それはスケートショップで、そこに立っているとスケーターに限らず実にさまざまな方が来店します。そして外国のお客様、特に英語圏の方によくあるリアクションのひとつに「おお! スケートショップだ」的な反応を見せて入ってくる方がとても多い、ということがあります。日本人の、おそらくスケーターではないお客様の場合、「何か面白いモノがありそうだな」という感じで入店されることはあっても、「スケートショップだから面白いモノがありそうだ」という反応を見せて入店される方はまずいません。このことについて考えられる理由としては、英語圏の国では比較的早い時期にスケートとそれにまつわるカルチャーというものが広く浸透しているため、街にスケーターがいて、スケートパークがあり、彼らが集うスケートショップ=おもしろい(というか変な)モノや人が集まる場所、という概念が定着しているのかもしれません。
豊富な商品や品揃え、効果的なビジュアルの構築など、いわゆる集客のある量販店の原則というものは、もちろんスケートショップを活性化させるための大事な要素なのですが、「スケートショップ=面白いモノや人が集まる空間」という概念、すなわちひとつのカルチャーを生み出しその存在感を枝葉のように広げていくためには、そこに集うスケーターたちの存在というものが決して欠かすことのできない重要な要素なのであると思います。
 ’90年代初頭に、本場のスケートカルチャーを体験したいがために度々渡米しましたが、恋焦がれたSFのFTCを初めて訪れたとき、そこはまだスキーや登山用アイテムを扱うスポーツショップの一角に展開しているささやかな存在だったし、NYCに代表される新鮮で都会的なスケートカルチャーの震源地であったSupremeを初めて訪れたときも、デッキのストックが20枚ちょっとだったこと、トラックはIndyとVenture(しかもLowのみ)しか置いていなかったことなど、正直ちょっと拍子抜けしてしまう若輩者の自分がそこにはいましたが、プロアマ問わずそこに集っていたスケーターたちの存在感と輝きは20年以上たった今でも、僕にスケートショップとはどう在るべきものであるかという問いに対する答えを示し続けてくれています。
 ずっと続けてきて思うのですが、それはここ日本でも同じことだと思います。Stormyだってムラサキスポーツだって、arktzもCalifornia Streetも、そこに集うスケーターたちの存在が輝いているからこそいいスケートショップなのでしょう。もちろん僕が今日まで勤めさせていただいた、FatBrosだってそうです。
 少々語弊があるかもしれませんが、ショップのロゴやアイテムそれ自体は実はそもそもそんなにかっこいいものではないんだと思うんです。真にかっこいいのはあくまでそれらを身に着け、社会に対してつねに懐疑的な姿勢を貫き通し、自由であることを渇望する未熟(なの?)なスケーターたちの人生観なんだと。
 だから僕はきれいなオーディオセットなんかに貼られた洒落たステッカーよりも、とあるスポットの厄介な溝なんかに乱暴に貼られているそれに感動できるんだと思うんです。

─Takayuki Hagiwara(FatBros

 

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