俺は新潟県五泉市という所に住んでいる。この時期はホタルが飛ぶほどの山奥に家がある。ホタルの里でもある。 山を一つ越えた村にMr.フロントテールという男がいる。 Mr.とは幼稚園の頃からの幼馴染みであり、スケボー歴も一緒の30年である。この町と村でスケボー歴が長いのは2人だけ。 何故、Mr.が二番目の男かというとウィリーの距離が俺よりも短いからだ。 俺が一番、Mr.二番てわけなんだけどスポット探しに関してはMr.の右に出る奴はいない。 Mr.がサンフランシスコジャイアンツの帽子(試合用)を被ってきたら、攻める日‼︎って事である。 隣で練りようかんを食べはじめたら攻め疲れって事でもある。 どうやらアズキは効くらしく疲れが取れると言っている。 俺らを5000マンパワーズと言って、いつもセッションしてくれる人達には感謝!感謝!である。 もちろんロングホーントレインなんて高度な合体技は持っていない。 お互い45歳にもなると、滑る時間は少なくなった。 若い頃はこんな感じだった。 いつも仕事が終わると電話が鳴る。 どうやらMr.が極上バンクを隣街で見つけたらしい。 その日の俺は気がのらなかったから明日にしようっと言ったんだけど、Mr.は「今日行かんでいいんか?まだ誰もやってないバンクだぜ!ハンパねーんだって!明日じゃ他の人がやってしまうかもだぜ!今日だろ!今日!スゲーんだって!」まさにサンフランシスコジャイアンツ被っちゃうテンションだった。 そんな言うならって事で村から町へ行く準備してMr.迎えに行くと車の中でそのバンクの話しとモーニング娘の話しで、ちょっとめんどくさかった。笑 「もうすぐ着くぜ!そこのカーブ曲がるとあるぜ!」とMr.。 こんな所にバンクなんかあったっけな〜と思ってたら、Mr.が「あれ?あれ?おかしいな〜バンク無ぇ〜な?あれ?あれ?」嫌な予感がした。 時は既に20時過ぎの夜である。 そう!このスポットには街灯が無かった!明かりがないからバンクが見えなかったのである。 Mr.はスポット探しは達人であるが、街灯の有る無しチェックは素人。笑 いつもの事である。 暗がりでもわかるくらい極上バンク。 明日を待てない俺らはショボい暗闇ターンを何回か繰り返した。 たまに通る車のヘッドライトがありがたくもあり。眩しかった。 村から町へ!町から村へ!こんな感じで縄張りなんかも持たず遊んでいるのだが、俺らの町と村にも最近流行りのスケボーブームが来てしまった。 30年滑ってる総体と言ってる場所がスケボー禁止になった。他の公園なんかもだ。俺らの町や村では前代未聞の事だ。今回のブームはたくさんの数のスケーターと派手にめな感じを連れて来てしまったみたいだ。 田舎でスケボーが目立つのである。 俺らは忍んで滑ってきた。 1スポット5分スケボー。気づかれる事も無ければ、怒られる事も無い。 ゴミはポッケに入れればいい。 ウィールとアスファルトが擦れる音は俺らには心地よいが一般の人達からしたら騒音であるからして、忍びの心で静かにニンニンでありたい。 結局、音出ちゃうんだけど!笑 最近のMr.は村の子供達にスケボー教えてるらしい。 彼らにMr.は「どうせスケボーやるならカッコつけれ!上手い下手は関係ないから、とにかくカッコつけて滑れ!」と言ってセッションしてるらしい。 Mr.45歳。そんなおっさんの背中見ながら滑る子供達は、自然にハートも乗っちゃうスケボーなっちゃうだろね。笑 Mr.とスケボーする時は!ヘッドライトと練りようかんを忘れずに! happyskate ライダー亀山
ARTHUR LEUNG / アーサー・レオン
2024.10.09