Nike SB dojo | スケートパーク

 はじめまして、Satomixと呼ばれております。「昔から運動が得意で…
──第2回 : 南国の鳥たちはみな踊る

2012.01.25

 はじめまして、Satomixと呼ばれております。「昔から運動が得意でしょ?」とよく言われるがそんなことはない。ドッジボールよりも、消しゴムや香り付きティッシュを集める方が好きだったし、缶ペンでタニシを育てる普通の女の子だった。

 そんなワタシが、スケートボードを始めたのは11年前で、当時は服飾の専門学校に通っていた。始めたキッカケは「彼氏の影響で…♪」とか言いたいところだが、大失恋した後で「男のことなんて考えたくない!」と思っていた頃。スケートは、その時に何かを変えたい気持ちと反発心で始めた。なぜスケートボードだったのかと言うと「悪そうでかっこいい」という単純なことから。初めてデッキを手に入れたワタシは“デッキが彼氏”とばかりにスケートボードに熱中した。

 そんなワタシにも春の訪れの予感。別のクラスの大柄のイケメンから呼び出された。彼はワタシに好意を抱いているようで、告白の一歩手前のような状況になってしまっている。「よくは知らないけどかっこいい人だなぁ」と思っていた。公園で会話していくなかでだんだん彼のことを知る。「オレ、趣味でダンスをやっているんだ」との言葉に、まさかその場でやるとは思っていなかったから「へぇー、見てみた~い」なんて軽々しく答えた。そしてソレは、無音ではじまった。

  ダンスと言えば「ヒップホップかな? ハウスかな?」と思っていたら、格闘技がルーツの“カポエイラ”という変化球。両足が前後交互に動く度に、両手が「バッサっバッサっ」と左右交互に動く。身長180cm以上あるだろう彼は、より大きく見えた。音楽もない中でステップが刻まれ、彼の両手がワタシに覆いかぶさるように主張してくる。するとTV番組のアニマルプラネットで観た「オス鳥がメス鳥の前で、大きく羽を広げて求愛行動している」映像が頭を過ぎる。ソレを見ていると、まるで南国鳥の求愛ダンスのようだった。

  音があればステップも違ったものに見えたのかもしれない。複数人で踊っていたら違った印象だったかもしれない。ワタシがアニマルプラネットを観ていなかったら違ったかもしれない。

 すべてにおいてタイミングってとても大事だ。結局“求愛ダンス君”とはつき合うことはなかったが、もしもあの時つき合っていたらダンスの道にいっていたのだろうか…。-Satomix

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