Nike SB dojo | スケートパーク

 スケートボードに出会って9年が経った。私の人生で、これ程までに継続し…
──第1回 : 私のトランクス

2012.01.13

 スケートボードに出会って9年が経った。私の人生で、これ程までに継続したスポーツはかつてなかった。スケートボードをスポーツとは言わないのか? それはまた他で話せばいいか。

 恐れ多くも、スケートボード初心者時代の私の話をしよう。

 三姉妹の真ん中として育った私は、姉妹の中でも一際ボーイッシュだった。というか、まるで少年だった。ウルトラマンのタンクトップを着て自転車にまたがり、今で言うドヤ顔でなりきりポーズの写真がその証拠だ。そして女の子とおままごとをするよりも、男の子と泥んこになりながら校庭でボールを蹴っているのが好きだった。どちらかと言えば、女の子と連むのが苦手だった。もちろん連れションも苦手だった。今もその傾向はあるにせよ、あの頃よりは多少大人になったと自負している。

 スケートボードをやりだしたのは、女友達の影響ではあるが、ボーイッシュな遊びだと思ったからだ。

 まだスケートボードに出会って半年くらいの頃、毎週水曜日は三鷹のパークへ通った。三鷹には、いつも首に黄色いタオルを巻いているお兄さんがいた。勝手に「黄色いタオルのお兄さん」と呼んだ。そのお兄さんには可愛い彼女がいた。その彼女こそ、私のスケートボード人生で最初に出会ったオーリーができるガールスケーターだった、と記憶している。人見知りの私はもちろん話しかける事が出来ない。なのにいつも彼女をガン見だ。なぜなら憧れだからである。
 名前も知らない彼女を、私は勝手にこう呼んだ。
 「トランクスの彼女」
 酷いネーミング。ドラゴンボールのトランクスではなくて、正真正銘下着のトランクス。だって彼女はジーンズの下に、チラリとトランクスを穿いていたのだ。ボーイッシュを貫きたい私は、憧れの「彼女」がトランクスを穿いていることに衝撃を受けた。正に私の目指すスケートボードの姿な気がした。チラリと見える女性らしい下着が恥ずかしくて、ジーンズにインナーのTシャツを押し込んでいた。トランクスを穿くなどと、1度も考えたことがなかった。

 その日の帰り道、迷わずトランクスを買ったのは言うまでもない。

 それからは、少し腰パンでトランクスをチラ見させ、気分は男子になった。気分が男子になると、不思議と転ぶのが怖くなくなった。むしろ転んでいる私がかっこよく思えた。チラ見な下着は女性らしいものではないのだから、もう恥ずかしさはない。

 ある日、ひとり暮らしをしている私のマンションへ、突然実家の父が尋ねて来た。「近くまで来たから」とのことだったが、いわゆる抜き打ちチェックというやつだ。特別汚くはなく、特別きれいでもない部屋。父は見渡して、ちょっとハッとした。最後までそれには一言も触れず、静かに帰って行った。それとは、ベランダに干していたトランクスである。当時彼氏はいたにせよ、まぎれもなく私自身のトランクスだったのだが、父の目には彼氏の物と写ったに違いない。そして彼氏の存在は、父には話していなかった。

 そんな疑惑付きの私のトランクスだが、今はもう履いていない。いつの間にか、そのトランクスは彼氏がお泊まり用に使用しはじめ、私のものではなくなってしまった。そして私のズボンが細身になった。細身になるとトランクスがごわついて格好悪い。ということで、スキニーパンツに合わせて登場したのは、もちろんボクサーパンツ!

 最後に付け加えると、もちろん今はどちらも穿いてない。逆にちょっとチラ見する位がいいじゃないか、と思う始末。
 どうやら私も、色気に目覚めたようだ! -Chihirock

  • CONVERSE SKATEBOARDING
  • NB Numeric: New Balance