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 全世界の人がすべてスケーターになってしまえばいい。というメッセージを…
──第6回:全人類スケートボーダー

2013.06.25

 全世界の人がすべてスケーターになってしまえばいい。というメッセージを先日中野で行われたMagenta試写会の作品の中で森田氏が言っているのを聞きました。スケーターである以上それに近いことを思う時は1度はあるのかもしれません。そういえば自分もまったく同じことを考えた時があったなと思い、そのことについてしばらく考えました。

 実はこれ、考えれば考えるほど面白いテーマなのです。もしそうだったらどういう世界なのか、ということをちょっと考えてみたいと思います。

 まず一番身近なところで家族。世の中のすべての人はスケーターという世界ですから、もちろん父母ともにスケーターな訳です。従って最初のコンプリートは90%位の確率でどちらかからのお下がりになるでしょう。というか、物心ついた頃には乗っていたなんてのがほとんどなのではないでしょうか。ドキドキしながらスケートショップに行って、最初に買ったのはAlien Workshopのロブ・デューディックのデッキだった(僕の場合)なんて思い出はきっとないでしょう。そのかわり物心つく前の一番最初の記憶はだっこされてスケートに乗って風をきっている気持ちいいもの…なんてことはかなりあるでしょう。そして親がまだ現役だとすれば、お母さんがいきなり前歯を折って帰ってくるなんていうことも余裕でありうる事です。お父さんは足を骨折しているので仕事には行けないなんてことも珍しくはありません。

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 すべての人がスケーターだということは、国内のスケートカンパニーも相当多いはずです。映画『Machotaildrop』(リック・マクランク出演)に出てくるヘンテコリンなスケートカンパニーや、スケート暴走族的なのとかもあってほしいです。それこそ親がプロスケーターだっていうケースも相当あるはずです。スケートショップだってコンビニくらいの感じであるかもしれません。下手すれば自動販売機だって存在します。高速道路のSAとかコーヒーをドリップしてくれる自販機ありますが、あれと同じ感じで自販機の中でコンプリが組まれている様を、スクリーンで見ながら待つ、なんてことも起こりえます。スケートカンパニーはライダー選びにはとても慎重になります。何せスケーターは死ぬほどいるのですから、技術やスタイルだけでは決められません。面接は必須事項となります。家庭環境や性格、どこのスケート専門学校だったのか、好きな異性のタイプなどさまざまな情報を入手しておかないと、いろんなしがらみが出てきたりで大変な訳です。保険制度も整えてあることでしょう。

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 学校はどうでしょうか。学校には確実にスケートパークが常設されていて、体育の時間にスケートが組み込まれています。個人的希望としては、美術の時間に入っていると少しアガります。私立の学校はやはりパークも充実していたり、アメリカのスケートカンパニーへの推薦もあるなんてことがあれば、熱心な親は金をはたいてでもそこに行かせるでしょう。高校入試も1分間のフリーライド、ハイオーリーやスラロームといろんな分野で試されるので、自分の本来のスタイルとは関係ない不得意な部分も勉強しなくては生き残れません。「ハイオーリーの記録だけでオレの人生を決められてたまるもんか!」と尾崎 豊のように体制やシステムに反発する生徒もいる訳です。

 実際にスケートをする場合はといいますと、これは考えると超ヤバいです。まずどんなスポットだろうとキックアウトは存在しないでしょう。最高ですね。自分がスケーターであればスケートの音は騒音には聞こえないはず(かな?)。ビルのオーナーであれば自分のビルの下にプロやらめちゃくちゃ上手いスケーターが滑っていればアガっちゃってひたすら眺めていたりします。さらにそこが雑誌に載ったりビデオに出たりすればなおさらアゲ間違いなしです。警察だって一応スケータな訳ですから、ソフトウィールで警らしているお巡りさんがいたり、交番に行けば基本スケートツールが必ず置いてあって自由に使うことができます。なんならそこでスポットまで教えてくれちゃいます。

 そしてこの夢のような世界の場合、スポットがすごいことになるでしょう。建築家から大工のおじちゃんまですべて彼らもスケーターだということは、そりゃ気の利いた設計になることは間違いありません。もう考えているだけでテンションがあがってきます。大きなビルの壁は地面につくところですべてアールになっていたりします。学校の正門等は必ずバンクですし、階段があればその横には必ずスロープとレッジとレールがつきます。グラインドに調子良さそうなベンチや縁石は至るところに左右に配置され、さらに路面の美しさはまるで天国、少しでも路面悪いところは速攻で工事業者が入ってまたつるつるになります。

 かなりざっくり書きましたが、想像の世界は無限大なのでここには書ききれないほど楽しい世界が待っています。世界中の政治家も全てスケーター……この辺からは考えるとちょっとスケーターのボロが出るかもしれませんので今日はやめておきましょう。しかしこの手の「もしも系」は考えるとキリがない程楽しいので、時間のつぶし方としてはおすすめです。雨の多い季節、みなさんも全人類スケートボーダーの世界の妄想にふけるのはどうでしょうか? 

Daisuke Miyajima
@jimabien

M×M×Mの敏腕スタッフにして自称映像作家のジマこと宮島大介。伝家の宝刀Fs 180フリップをなくした今、どこへ向かっていけばいいのか迷走中。本能の閃きをたよりに書き綴る出口なしコラム。

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