’80年代にスケートを始めた世代のスケーターに、「初めて衝撃を受けたスケートビデオは?」と聞くと、’87年にリリースされた「Powell Peralta『The Search for Animal Chin』だ」と返ってくることが多い。ちなみに自分もこの作品に多大な影響を受けたひとりだ。
Powell Peraltaは当時、Santa Cruz、Visionとともにスケートインダストリーを牛耳っていた3大カンパニーのひとつ。そして本作は、ステイシー・ペラルタが指揮を執った名作中の名作。今日でも本作が語り継がれていることが証明だ。内容は、出演スケーターのBones Brigadeのメンバーが、伝説のスケーターのアニマルチンを探すというストーリー仕立ての構成となっており、台詞をしゃべるメンバーの姿も今となっては貴重だ。
ご存知のとおり、ステイシー・ペラルタは後にドキュメンタリー映画『Dogtown and Z-Boys』や『Riding Giants』などを手がけているが、『The Search for Animal Chin』が映画制作のきっかけとなったのは間違いないだろう。
ちなみに、現在、ステイシーは当時のPowell Peraltaが誇ったBones Brigadeのドキュメンタリー映画『Bones Brigade: An Autobiography』を完成させ、高名なサンダンス映画祭で絶賛を受けている。上映のたびにスタンディングオベーションの嵐となっているとのこと。
すべてのきっかけとなった『The Search for Animal Chin』を、当時を知るスケーターはもう一度フレッシュな目で、聞いたことも観たこともない若いスケーターは歴史の勉強として、楽しんでみてはいかがだろうか?
--MK
このシーンを観てアガった人は立派なオジサンスケーターです。