1. スケボーは足と板がくっついていない
これはよく聞かれる、特に中高年の方にはそう思っている方が多いような気がします。スノーは板が基本的にブーツに固定されているので身体をグルグル回転させれば自動的に板もグルグル回るため、身体と板が完全に独立しているスケートのそれに比べるとより多い回転が可能だ。もちろん高低差や滞空時間との兼ね合いも関係するが、回転時にグラブを入れることが良しとされるスノーと違い、スケートはノーハンドで回転することが、見た目は地味だが難易度の点から言うと評価が高くなる。そう、ボブ・バーンクイストはすごいのだ。
2. スケートにはスイッチとフェイキー(バックワード)の使い分けがある
スノーはどうやらスタンスが変わった時点ですべてスイッチスタンスのトリックとみなされるようだが、スケートはそうではない。いわずもがなテール(ノーズしかり)を地面にたたきつけ、その反動で返って来る板を足首でコントロールするため、スイッチとフェイキーには明確な違いが存在する。進んでいる方向は同じでもまったく違うアプローチを試みているのである。このノーリー、フェイキーは玄人好みのトリックにつながることが多く、そこにひとつの個性を確立している人のスケートは得てしてイケている。ノーリー180やフェイキーフリップなんかが絶妙なバランスで組み込まれているラインは観ていて実に気持ちがいいものだ。そう、マイク・デイハーはすごいのだ。
3. スケートには回し技が存在する
身体の回転だけににとどまらず、上記のふたつの特徴を駆使してスケートは板そのものを横方向縦方向と自在に回転させることが可能だ。レギュラー、スイッチ、フェイキー、ノーリーすべての方向に180°や360°、最近では540°まで標準装備の猛者までいる。この回し技を駆使して対戦するスケートゲームは、わずかなフラットさえあれば楽しむことができる最もハンディなスケートの楽しみ方だ。アメリカの某ウェブサイト上で開催されるそれには、今や全世界のスケーターからの注目が集まり、世界最高峰のフラットトリックにみんなが心酔する。そう、シェーン・オニールはすごいのだ。
4. スケートはまだまだ自由だ
場所や技術、年齢や性別を問わずアスファルトさえ広がっていればどこででもスケートは楽しむことができる。そしてそれは競技というよりもまだまだ個人の感性に委ねられている部分が相当多く、制約は皆無と言っていい。当然コーチすら存在しないのだが、スケートを愛する者はスケートに向き合う者が守るべきルール、いわば掟とも言うべきものを遵守する。これまでさまざまな環境でスケートをしてきたが、スケーターとしてあるまじき行為を行うものをほとんど見たことがない。僕は思う、それは先人たちの振る舞いが間違っていなかったことの証明であると。先人たちのスケートに対する真摯な姿勢は確実に次の世代へ受け継がれていくのだ。スケートボーダーにコーチがいるとするならば、それは彼らだ。そう、二ール・ブレンダーはすごいのだ。
と、ここまでいろいろと考察を試みたわけだが、最後に今回、この考察の機会を与えてくれたスノーボードの快挙に改めて拍手を贈りたいと思います。お見事!
--TH (Fat Bros)