Special columns written by skaters
スケート識者たちが執筆するスペシャルコラム
KENJI TANAKA

酒盛りとセメント盛りがDNA配列に組み込まれたSK8スカム。
酩酊状態がシラフよりも長い、西●敏行ちょい似のお茶目さん。
必殺技のクレイルスライドは、最近お腹が邪魔して切れ味悪め。

第7回:TRIPPIN WIZARDS

 トリップ。ツアーとも呼ばれますが、自分はトリップという言葉のほうが好きです。まあそんなことはどっちでもいいんですが、今日はこのトリップについてお話したいと思います。

 トリップとはスケボーの世界ではとても重要な意味を持ちます。単なる旅行ではありません。命がけの旅です。ビデオ、雑誌、インターネットで観ることの出来る映像、写真、情報ではなく生身の滑りを見たり、一緒に滑ったり、酒飲んだり、遊んだり、と全てがLiveなのです。

 会社に入って14年くらいになりますが、今回のBlood Wizard Japan Tripは衝撃の毎日でした。初めは半分だけ同行して、残りの半分は誰かに任せるつもりでしたが、初日からあまりの面白さに全日程同行をすぐさま決意。朝から晩まで毎日一緒に過ごした、あの2週間を軽く振り返ります。

 梅雨入り寸前の5月末。3人のライダー(Jack Given、Jerry Gurney、Chris Greggson)と、カメラマンとして同行のGreg Zamaripa(実はただの友達でした!笑)、そしてゴールデンウィークからうちに滞在していたBassturdのRie Clancyの5人のアメリカ人、そしてBoardkillの小関氏を加えた6人で山形、長野、埼玉、東京、茨城を約2週間かけて回りました。

 今回のトリップは日本通のRie(6回目)を除き、日本は全員始めて。アジアの他国も誰も経験していないため、アジア自体が始めて。アメリカ大陸、ヨーロッパ大陸しか経験していない彼らにとっては日本で見るもの、聞くもの、食べるものほぼすべてが初体験。何でも出されたものを食うやつ、一応聞いたりしながら探りながら食うやつ、かなりアホな理由でベジタリアンになり野菜しか食べられないやつ。屋外で酒が飲めること(アメリカではダメ)に興奮して飲みまくる奴(全員)。一日中上半身裸で過ごす奴(Jerry)、飲み過ぎて仲間割れ、号泣、仲直り、顔面パンチ、ガラス破損、スナックで激飲み&メタル熱唱、珍○露出、キックアウト、ホームステイ、ありとあらゆることが起こった2週間で、うちに滞在していたのが大体11日間。その間に出た酒のゴミはビールの缶約300本以上、ウィスキーのボトル1○数本、鬼殺し紙パック20パック以上。山形でお世話になった寒河江スケートパークのみなさんの計らいで連れて行ってもらったスナックでの飲み代は、一体いくらだったのか想像するのも恐ろしいくらいです。

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 これだけ読むと飲酒しかしてなさそうですが、肝心のスケボーはというと、今まで面倒を見てきたどのチームよりもやりまくるのです。空港に迎えに行った時、冗談でスケボーしたい? と聞くと 「Fuck Yeah!」と嬉しそうに答えるのです。まあ半分冗談なのかなと思いながら、パークへ連れていくと3時間ほど地獄デモ。初日から全開。そしてそのパワーはツアー終盤まで毎日続くのです。朝起きればメタルをフルボリューム、スケート、飲酒、またスケート、車でメタル、帰って来てまたメタル、酒飲んでる時も、晩飯中もメタル、気絶するまでメタル。あんなに毎日騒いで近所から苦情が来なかったのが不思議です。彼らの滞在中、バンと家の中は今まで嗅いだこともないような異臭(酒、汗、血、足、屁)に包まれていました。本当にすごい臭いでした。

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 こんなにも臭くて、ウルサイ奴らなのにどこへ行っても大歓迎されました。とにかくスケボーしまくるのと、アホなのと、そして人当りがとてもいいのでもの凄い人気ぶりでした。デモのような形ではなくローカルとのセッションに重点を置いて行ったトリップだったので、一緒に滑るチャンスに恵まれた ローカルスケーターたちは、今まで出来なかったトリックがその日に出来るようになった人もいたようです。さらに彼らのスキルはスケボーだけではなく、そのメタル的な風貌からも分かるように楽器の技術がもの凄いのです。寒河江では仙台から来た怖い人と即興ジャムセッションが開かれ、スケボー終了後も大いにパークを盛り上げていました。こんな調子でどこへ行っても必ずローカルとセッション。大物ぶることなく(実際大物ではないのですが)、謙虚な姿勢で大騒ぎ。謙虚なのにドアホ。謙虚に大酒。面白過ぎです。

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 このトリップ中、お世話になった寒河江スケートパークの高橋さん、久保田、山田君、阿部ちゃん、石井さん、長野でお世話になったオグさん、キミちゃん&志麻さん、茅野パーのみなさん、Backyardのカリボー、ガション、Blissの小島さん、Axisのマサ兄、岩井のスグル、ダイコンさん、Gyoくん、ヨシノスケ、カミさん、ビリーくん、PFK本田くん、畑中マン、小関さん、そして最後、自腹でチケットを買って日本まで来てくれたJack、Jerry、Gregson、Greg、Rieに大きな感謝の気持ちを送りたいと思います。

 そしてこのトリップが成立するのも、Blood Wizardの板を買ってくれるお店の人、スケーターのみなさんのおかげです。かなりの低予算で行われたトリップでしたが多くのスケーターに助けられて素晴らしい旅となりました。このトリップの模様はBoard killの次号で特集されますのでお楽しみにしていてください。動画はGregsonがかなりの量を撮っているので、BWサイトかSkateboard Magか何かに出ますので、こちらもよろしくお願いします。 

 そういえば一人トリップ in SFを敢行している今村がもうすぐ帰ってくるかもしれません。メディアでは伝えきれない生のお土産話を早く聞かせてもらいたいです。BWトリップも公の場ではお話出来ないダメな話が沢山ありますので、どこかでセッションした際にはお酒と共にお付き合いいただけたら朝まで喋らせていただきます。

 さあ、そこの代理店を名乗っているみなさん。そろそろトリップに出かけたほうがいいんじゃないですか? そして地獄の2週間トリップを是非ともやっていただきたい。逮捕、揉め事、怪我、事故、睡眠不足、過労、笑い、涙、興奮、感動。全てが詰まったスケートボードの魅力と魔力を、 より多くのスケーターと共有できる機会を設けることが代理店の仕事の一つだと思っております。これからも色々なチームとのトリップが待っていると思います。いつものように各地でみなさんのお世話になると思いますが今後も是非ともお付き合いくださいませ。

 最後にひとつ。
 こんなデタラメな文章とダメな話を、毎回掲載してくれるVHSMAGに感謝。

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Nixon x C.R. Stecyk III
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