シンプルなトリックほどスタイルが際立つように思います。とりわけオーリーワンフットのように人を選ぶオールドトリックではなおさら。
このトリックの起源は'80年代のロドニー・マレン。この人は広く「ミューレン」と呼ばれていますが、これを機に改めましょう。正しくは「マレン」です。と、そんな呼び方の話はさておき、片足をデッキから離し、手を使ってデッキを再び足元に戻していたフリースタイルのトリックがそのルーツ。ロン・アレンがストリートで膝を使ってデッキを戻すようになり、やがて前足を蹴り出しデッキを水平に保つ形へと進化していきました。そして「オーリーワンフット」や「オーリーノース」と呼ばれるように。
前者の名前はそのままでわかりやすいですが、後者はなぜ「ノース」なのか? 方角の「北」がなぜこのトリックと関係があるのか。そんな疑問を解消すべく調べてみました。この名称は'80年代終わり頃にイラン・コントラ事件で世間の注目を集めていたオリバー・ノース大佐の名前にちなんで付けられたと言われているようです。要はオリバーの愛称でありトリック名でもある「オーリー」と「ノース」という有名人の名前を組み合わせた一種のダジャレだったということ。ああ、スッキリ。
そういえばASICSの“Leggerezza FB”ではジーノ・イアヌーチが、adidas Skateboardingの“3:2”ではグスタフ・テンネセンがスタイリッシュにオーリーノースを披露しています。シンプルだからこそ個性が出るトリック。挑戦するなら、ぜひ魅せ方を意識したいものです。くれぐれも「オーリーで前足が外れちゃった人」に見えないようご注意を。
—MK









