隣の芝は青く見える

 短期間ではあるが、スケートの最前線とも呼べるLA近郊で動いてみて、スケーターと撮影部隊のすごさについて改めてリスペクトです。
 映像を介してみると、カリフォルニアのスポットなんかは割と条件が揃っているように見えるけど、現地に行ってみるとそうでもなかったりする。特に目についたのが、クラックの多さ。ちょうどオーリーポイントのところに継ぎ目があったりすることが多い。スケーターの手によってセメントだったりボンドだったりでクラックを埋めて走行しやすいように手を加えられていて、スケーターをはじめ、フィルマーやフォトグラファーが簡易粘土のようなものを標準装備で持ち歩いていたりするのはさすがだなと。その他にも、ダウンタウンに近いエリアに近づくほど、ゴミやダストがそこら中に散乱しているので、ビッグサイズのホウキも必須アイテムとなっている。くわえて気になるのは、路面の劣化具合。カリフォルニア特有の太陽熱で路面のいたるところが大変なことになっている。映像なんかだと伝わりづらいのだが、実際に現地で見て滑ってみるとそのタフさ加減を実感せざるを得ない。こんなところをスイッチで攻めていたのか…なんてことばかり。さらにはスクールヤードなどのフェンス越えを余儀なくされるスポットが多かったり、自販機やコンビニなんてのがそこら中にないので、ドリンクだったり排便だったりなにかと大変なのです;
 そして極めつけは治安の悪さ。ダウンタウンやゲットーに近い場所であればあるほど、どういうわけだか画になるスポットが多いのが世の常。西海岸フレーバー特有の青空のおかげで、さわやかな雰囲気を醸しだしているスポットも、実はエラい地域にあったりしていて、撮影は日中のみで夜は絶対NGなんてのはザラでした。あらためてこちらの現状を目の当たりにして、スケートの撮影の大変さを実感することで、スケーターやスケートの現場で奮闘している裏方へのリスペクトが今まで以上に増しました。

 「隣の芝は青く見える」って日本のことわざを、たまたま入店したゲイが集うウエストハリウッドのスタバにて、実感する今日この頃です。ウエストサァイィ~ド。

–KE

acosta
レレレのオジサンではありません。アンソニー・アコスタ。

kenya2
不法侵入を繰り返す、某著名ジャパニーズ・スケーター。

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