正直言って、ライダーのスキルは全編に渡り特別高くない。でもなんだろうか、この観た後の充実感は。楽曲のセレクトがいいのと、クルーから放たれるスケートへのポジティブヴァイブスが、ひしひしと伝わってくるからだと思う。いいスケートビデオの定義ってなんだろうか？　上手い、かっこいい、斬新とかいろいろあるだろうけど、結局「その作品を観た後にスケートしたくなるか」ってことが重要なはず。これを観た後、思わず夜の街へ出かけたくなる衝動に駆られたのは、おそらく自分だけではないはず。
　この作品は、愛知県豊田市のスケーターを中心としたクルーによって制作されたインディーズ作品。当サイトのPOSTAにも投稿してくれた、パウロ・ディアズ好きな小野哲平がディレクションを担当。夜のストリートを中心に、スケーターが縦横無尽に滑り抜け、都会の死角のポテンシャルを引き出す感じがドキドキします。