TWO GENERATIONS OF SKATEBOARDING

世代間ギャップの話など、このお方にはもはや非常識。どんな若手も彼とのスケートセッションで世代の壁の無意味さを知るのでしょう。オーリーの貴公子ハフですら板の上でしゃがんで、はしゃぐゴンズ様の背中を同じ目線で追うのであります。
スケート界のキャプテンアメリカ、ダニー・ウェイのミニランプでのセッション映像は貴重です。バート、メガランプではもう天上人ですが、普通のミニランプを普通に滑るキャプテン、素敵っス。一気に親近感沸くっス。
LAのダウンタウンで繰り広げられる何気ないフラットセッション。同じ技をかぶせて勝敗を競うそれではなく、世代の常識に縛られずとにかく気持ちいいトリックを披露し合う。観ていて非常に気持ちのいいセッションのお手本。
神様仏様ナタス・カウパス様が絵筆を用いてランプに施した表現。そこに現代スケートボーディング界の寵児であるディラン・リーダーが最高にスタイリッシュなスケートで命を吹き込む。世代を超えるセッションはもはやスケートというカテゴリーすら超越するのでしょう。
 昔、学生の時分にアメリカの某アパレルブランドのスタッフをしていたことがありました。上はお年寄りから下は赤子まで、幅広く世代を問わない洋服作りをそのブランドのモットーに掲げ、そのブランドネームも世代間に横たわるギャップをストレートに表現したアレです。
  そもそも世代というものに定義はあるのか? ある一定の時間が経過すればもれなくそこに世代間というものが生まれるのか? そしてどうして異なる世代はお互いにギャップを感じずにはいられないのか? いろいろ考えてみるとどうやら世代とは、ある一定の時間軸の中で、純粋に質的な体験のみによって獲得した、良くも悪くもあるさまざまな経験や記憶である内面的時間の共有であり、言ってしまえば心の拠りどころ、古き良き時代という概念の認識であるような気がします。
 この世代間のギャップを乗り越えて相互理解を確立するのは、ここ日本においては結構難しいことで、ひとたび社会に出ればあらゆる場面でこの世代間ギャップに惑わされることになります。ありがちな会社組織で例えるならば、部下は上司と話が合わないと言い、上司は上司で部下の考えてることが理解できないと言う。こんな話、よく耳にしますよね。

 スケーターという人種に関していえば、普段からちょっとしたギャップ越えには慣れていることもあり(関係ないか)、世代間のそれもスケートボードを用いて実にスマートに攻略します。もちろん世代ごとの感性や、それにともなう美意識には違いがありますが、それをお互いに理解し尊重し、違いを楽しめる能力が彼らに養われていることは明らかです。

 そんな世代を超えた素晴らしいセッションを今回いくつかご用意してみました。ご堪能下さい。

–TH (Fat Bros)

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