ADIDAS SKATEBOARDING

国内外のシーンを行き来しながら自らのスタイルを追求する嘉悦礼音。Z-FLEXのチームに加わり、国内外のスポットで挑戦を続ける彼の視点は、スケートボードの歴史と現代をつなぐ。シグネチャーモデルとビデオパートのリリースを機に、これまでのキャリアや想い、そして世界に向けた挑戦について話を聞いた。
──LEON KAETSU / 嘉悦礼音

2025.11.21

[ JAPANESE / ENGLISH ]

Photos_Ryan Quinn
Special thanks_Z-Flex Japan

VHSMAG (以下V): ニューヨーク生まれで東京育ちと聞きました。スケートを始めたきっかけと、当時のホームスポットは?

嘉悦礼音(以下L): ストリートで滑っているヤングたちがいて、板を回しているのを見て、シンプルに「すげぇ」と思ったんです。それでお父さんと一緒にトイザらスに行って、コンプリートを買ったのがスケートを始めたきっかけです。ホームスポットはマップスですね。いつも絶対レップしてます。昔、千住にあった頃のムラサキパーク東京です。

V: 東京と海外にルーツを持つバックグラウンドがスケートにどう影響していると思いますか?

L: 一番大きいのは、英語を意識しないうちに話せるようになっていたことです。海外に行ったときに街でスケーターとすぐ仲良くなれるのは本当に大きいと感じます。それに英語がわかると、小さい頃から見てきたビデオパートや好きなスケーターのジャンルもきっと変わってくると思います。

V: これまでに影響を受けたスケーターやスケートビデオがあれば教えてください。

L: 影響を受けたスケーターは、チャズ・オーティズ、森田貴宏、ボビー・デカイザー、櫻井壱世、ジェイソン・ディル、吉岡賢人。ビデオは『通りゃんせing』。

V: Z-Flexに加入することになった経緯を教えてください。

L: 最初はある展示会で森田さんと初めて出会って、当時自分たちが作っていたプロジェクトの話など、いろいろ話す機会がありました。その後、森田さんのお店に通うようになって、運良く距離が近くなっていき、そこからZ-FLEXの話につながった、という感じです。

V: Z-Boysのレガシーと現在の自分がリンクしていると感じる点は?

L: 自分の考えでは、Z-Flexが誕生して以来、Zはつねに新しいことや新しいモノの発明に挑んできたと思います。そしてその姿勢は、今の自分たちや Z-Flex Japan、森田さんが取り組んでいること、教えてくれていることにも受け継がれていて、そのレガシーは今も確かに生き続けていると感じます。あとやっぱり初代Z-Boysも言っていたように、オレはただただスケボーがマジで大好きなだけで、好きだからこそ本気すぎるときもあるけど、大事なのは「Live the moment(今この瞬間を生きる)」です。大切なのはライフスタイルだよ、ホーミー。

V: チームに入ってからの印象的な経験や出来事は?

L: チームに加わってからは東京以外で滑ることが増えて、いろんな土地のシーンや人たちと出会う機会が多くなり、めっちゃうれしいです。他のライダーのスタイルやスキルも学べるので、本当に最高です。それにZ-Flexはスケボーの歴史に深く関わってきたブランドなので、この板に乗っていると声をかけられることも増えて、自然と人とのコミュニケーションが生まれるようになりました。

V: 今はカナダ・バンクーバーにいるそうですが、その理由やきっかけは?

L: 今カナダにいる理由は、自分のことを最初からずっと撮ってくれている “ma brotha” がいるからです。YAGI(@yagi.j_)って名前で活動していて、そいつがバンクーバーに住んでいるので遊びに行く機会があったんです。行ってみたら街中がスポットだらけで、「これはチャンスだ」と思って、そのまま撮影を始めました。

V: カナダのシーンやスポットで感じた魅力は?

L: スポットに関して感じたのは、東京とは明らかにスケールが違うってことですね。思わずウズウズしてしまうようなデカいスポットがめちゃくちゃあって、本当にヤバいです。バンクーバーだけじゃなく、カナダ全体を見てもスケートの歴史が深いから、こっち独自のスタイルで歴史が受け継がれている場所やスケーターがいて、どんどん興味が湧いてきます。


 


V: 今回完成させたビデオパートはどんなコンセプトやテーマで臨みましたか?

L: 今回のパートは普段自分がやらない一面も見せられるように努力しました。

V: 一緒に動いたフィルマーについて教えてください。

L: 自分のフィルマーはさっき話したYAGIってやつです。中1の頃から同じ学校で、ずっと一緒に育ってきた仲です。スケボー歴は自分より短いんですが、めちゃくちゃスケボー好きで、自分の滑りにもリスペクトを持ってくれているのを感じます。それに彼は学歴トップクラスの天才で、知識量は本当にアインシュタイン並みだと思っています。…ただふたつのことを同時にこなせないタイプでもあります(笑)。

V: どんなプロセスで今回のパートは完成しましたか?

L: バンクーバーに来てできる限り撮影してきました。

V: グローブを着用してパワースライドするスタイルが印象的ですが、始めたきっかけは?

L: スライディングを始めたきっかけは、森田さんのスライディングを見よう見まねで、グローブをつけて試してみたら意外とできちゃって。その日からめちゃくちゃハマってやるようになり、FESN laboratory でグローブを買ったのがスタートです。

V: 撮影中に特に印象的だったトリックやスポットは?

L: 過去の話になりますが、やはり歴史的なスポットとして「Black Ice」と「UBC Joslin Stair」は最高でした。そこで滑ったことは、今でも忘れられません。あとSFU という大学のキャンパスもあって、中がまるでスポットのディズニーランドみたいになっているんです。そこでやったインワードヒールは個人的に一番テンションが上がった技で、「やったらできた」シリーズのひとつになりました。

V: 最も苦戦したトリックは? その舞台裏の話も聞かせてください。

L: 苦戦したのは、やっぱりスライディング to スラッピーバックテールですね。自分の味とスライディングを組み合わせて挑戦した技で、カーブにもノーワックスで初めて攻める角度だったので、めちゃくちゃ難しかったんですけど、なんとか決められました。

V: Z-Flexからシグネチャーデッキがリリースされましたが、初めて自分の名前が入ったデッキを手にした感想は?

L: 自分の板を手にしたときは、「お母さんに見せてあげたい」という気持ちがすごく強かったです。こうやって少しでも親孝行できるようになったのもうれしいし、「もっと頑張らなきゃ」という気持ちが湧いて、さらに燃えました。夢を叶えてくれた Z-Flex Japanに心から感謝です。

V: サイズやシェイプなど、こだわった点などがあれば教えてください。

L: 自分はコンケーブが深めの方が好きなんですが、深すぎるのはあまり好みじゃなくて、自分の好みにちょうど合う深さになっています。ノーズとテールはツインまではいかないけど、ノーズの方が少し大きめで、テールも少しだけ広めですね。

スケボーを通して「自分もこんなことができるんだぜ」ってことを、自分なりに表現していきたい

V: 今後はどんな活動やプロジェクトを予定していますか?

L: 将来的にはいろんな国を回る予定ですね。各国に行きまくって映像を作って試写会やパーティをしたいです。みんなでひとつになれる場を作りたいです。団結感ってやつ。

V: スケートを通して挑戦したいことや、表現していきたいことは?

L: スケボーを通して「自分もこんなことができるんだぜ」ってことを、自分なりに表現していきたいです。そしてグローバルにレップし続けたいですね。とにかくでかいのを飛びたいです。絶対に止まらずに挑戦し続ける。わかるでしょ?
 

Leon Kaetsu
@leonkaetzu.___

ニューヨーク生まれ、東京育ち。Z-Flex Japanのチームライダーとして活動し、現在はカナダ・バンクーバーを拠点に活動中。Z-Flexからシグネチャーモデルとビデオパートをリリースしたばかり。

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