7月22、23日の2日間に渡り羽田空港からほど近い東京流通センターにて開催されたスケートサミット2025。ご存じ、イトシンこと伊藤慎一が首謀者となり国内の代理店やスケートブランドが規模の大小を問わずブースを並べました。また展示ブースのみならず「スケートパークはこうしてできる」「スケートスクール最初の一歩」と題したそれぞれの対談ではスケートボードを愛して止まない参加者が熱心に聞き入っていたのが印象的。また会場内に特設されたスケートエリアではさまざまな形式でコンテストやジャムセッションが行われ、これからのシーンを担っていくであろう若いスケーターが熱戦を繰り広げていました。自分としてはそのスケートエリア用に、おそらく日本で一番スケーターに擦られているであろう駒沢公園のボックスのサイズ感をサンプリングした変形ボックスの製作に携わらせてもらい、数多くのスケーターがそれぞれのやり方で攻める姿を見てほっと一息。将来のためにスケートシーンをさらに確固たるものにすべく盛り上げていこうとするイトシンの情熱は、このスケートサミットの参加者はもちろん、参加できずともSNSでチェックしていた人にひしひしと伝わっているはずだぜ。
会場ではあちらこちらからやってくるスケーターや関係者と絶え間なく雑談を交わし、いくつものブースに並ぶギアやグッズ、資料を眺めて回っていたのですが、自分の視界に入るやつい固まってしまったデッキが1本。青とグレーのボーダーにカンパニーロゴが配されたビジュアルが印象的な…といえばピンとくるスケーターはすっかりおじさんのはず。そう、Aestheticsのあの板が国内代理店Be-In Worksのブースに並んでいたんですね。聞くところによると創業者であるサル・バービエが再始動させたばかりだと。かれこれ2000年前後に人気を博し、ロブ・ウェルシュ、ジョン・イゲイ、ケヴィン・テイラーなど当時のトップライダーが在籍。日本国内では三枝博貴、赤熊寛敬、竜人といった人気実力ともにピカイチなライダーが在籍し、今のおじさん…当時のヤングはかなり憧れたはず。ストリート仕込みのバギーな着こなし、ハイセンスなグラフィックで人気があったものの、短命に終わったこのカンパニー。っていうありきたりな情報しか把握していない自分でありますが、2022年に突如Palaceとのコラボを発表していたので、それを機に認知しているヤング層のスケーターもいるのかな。自分もかつてマッマに買ってもらったパチモンのデッキから卒業し、いざショップに並ぶ本物のデッキの1本目がAestheticsだったということもあり、思い入れもあるんすよね。
さてこの頃再始動するスケートカンパニーも増えてきました。'90〜'00年代というその昔に存在したアレコレがまた復活を遂げ、スケートショップに並びます。最近だとI-Pathとか411VMが話題になることが多いのかな。「そういえばあんなブランドあったよな?」と検索してみると、消滅していたはずの各種ブランドもしれっと再稼働していたりします。新しいスケートカンパニーが無数に増え続ける現在、今のおじさん、当時のヤングを再び熱狂させたかつてのブランドのどれだけが再び輝きを取り戻すだろうか。当時を過ごしてきた者として注目したいところです。
—Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)










