バディ・ニコルスによる最新ドキュメンタリーが公開されました。テーマは「スケートと音楽」。
本作は両者の文化的な結びつきを深く掘り下げ、パンクロック、ニューウェーブ、そして後に台頭するHip-Hopがどのようにスケートのアイデンティティを形づくってきたのかを描き出しています。ジャンルは違えど、その根底に流れるのはメインストリームへの反骨精神。今でこそスケートやHip-Hopの一部はメジャーに取り込まれていますが、かつてはどちらも社会の片隅で蔑まれる存在でした。そうしたアンダーグラウンドの文化同士がどのように交わり共鳴していったのか。数々のスケーターやミュージシャンの証言を通じて紐解いていきます。
なかでも印象的だったのが、マイク・キャロルが自身のパートでHieroglyphicsの音源を使った理由にまつわるエピソード。当時はジョバンテ・ターナーがDel the Funky Homosapienと親交があり、EMBではリリース前のデモ音源をみんなのために流していたとのこと。まさにアンダーグラウンド同士が地下でつながった好例。ジョバンテといえばHalf Cab誕生にも関わっていたことで知られますが、そのトレンドセッターぶりには改めて脱帽。
とにかく本作で描かれるスケートと音楽の関係は、まるで車のエンジンと燃料のようなもの。特にパンクやHip-Hopといった音楽は、自由に、速く、大通りから外れて走り続けるためのガソリンなのかもしれません。
—MK










