1991年に突如としてスケートシーンに現れ、瞬く間に誰もがトライするトレンディなトリックとなったプレッシャーフリップ。そのブームは短命で1993年にはすっかり姿を消し、たった2年で「最先端」から「時代遅れ」へと転落しました。
当時のスケートシーンはフリップトリックの可能性を探っていた時代。無数のバリエーションが試されるなかで、プレッシャーフリップもそのひとつとして登場します。ただ、どうしてもスピードが遅い、高さが出にくい、テールやノーズの削れ方が不均等、スタイル的にも洗練されていないといった理由から、次第に敬遠されていくようになります。
そして時代は、スピード、クリーンなポップ、空中でのキャッチといった、より精度の高いフリップトリックへとシフト。そうした流れのなかで、プレッシャーフリップは現代の主流のスタイルとは相容れないトリックとして語られることが多くなりました。
ただし、これはあくまで'90年代の話。オールドトリックと分類され、最先端のストリートスケーターから距離が置かれたノーコンプライやボーンレス、レイトショービットやレイトフリップなどと同じく、今ではそれらを取り入れているスケーターも少なくありません。しかもクリーンかつスタイリッシュに魅せるスパイス的存在としても重宝されている印象。
というわけで、1991年にリリースされたNew Deal『1281』から、当時プレッシャーフリップの可能性を押し広げたクリス・フィッセルのパートをどうぞ。でもやっぱりフィッセルに続くダニー・サージェントのパートの方が観ていて気持ちいいw
—MK









