ローカル主体で開催される規模のコンテストでこれまでに数度、ジャッジをやったことがあります。トリックがメイクされる度に正の字に1点ずつ増えていく。難易度が高かったり、場を盛り上げるようなメイクがなされた場合は2点、3点といったように加算されていく…といったような、シンプルなやり方の経験ではありますが。しかしエントリーしたスケーターを評価するという機会、もしどこかで誘われることがあるのであれば、ひとついい機会としてやってみることをオススメします。簡単に言うと、より客観的な視点でスケートを見ることができ、それは自分のスケートを見直すことへと繋がるから。
SNS上にアップされた投稿からジャッジするという機会もいただいたことがあるのですが、これもまた面白いものでした。数十人にのぼるエントリー者はまだコンテスト慣れしてなさそうな方からまったくの無名ながら目を疑うようなトリックを繰り出す方まで、実際のコンテストと変わらず多種多様。その現場にいなくとも、ドラマみたいなものも垣間見れたりするのもいいところ。やはりジャッジする側としては高難易度のトリックはもちろんですが、サラサラと流れる気持ちのいいラインであったり、意表をついてくるトリック、失敗を交えつつも最終的にメイクしちゃう、そんなスケートボーディングに対しても高評価をつけたくなるものです。いいじゃない、機械じゃなくて人間がジャッジするわけだから。
10代の頃は地元で時折開かれるコンテストに比較的積極的に参加していました。当時は自分のランを披露するので精一杯なわけですが、「それを見ていたはずのジャッジの目にはどう映っていたのか?」なんてことを振り返って再考することも今なら多少できるわけだ。あ〜、自分の中で記憶に残るメイクも多ければ、反省点もなんて多いこと! ローカルスポットで小さく滑っていたところから少し背伸びし、コンテストに足を運ぶようになってきた頃、「コンテストでは1個のセクションでヤバいのやるんじゃなくて、いろんなセクションを使ってラインを組むのが得点高いらしいぞ!」と周りの仲間がどこからか聞きつけてきたのを覚えています。それを真に受け、意識的に実践するようになってから、自分も徐々に予選を勝ち上がり、上位入賞に食い込むことも増えました。そしてその「高得点のコツ」とやらは今も変わらぬ大事なひとつの要素かと思います。
思い出に残るものとしては、宮城 豪が企てたコンテスト。順位を決めるという従来のあり方ではなく、合計8名いるジャッジがそれぞれいいと思ったスケーターをひとりずつ選出するという方法は真新しく、驚かされたものです。後に日本屈指のスケートディストリビューション、Kukunochiを立ち上げることとなる漆間正則が沖縄に来てデモ&ジャッジを務めておられたのですが、自分はそんな彼から選出され歓喜したものです。当時は知る由もありませんが、これは自分のスケートライフをより良い方向へと導いてくれたひとつのターニングポイントであったと、今振り返って再考しているわけです。
—Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)










