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WHAT IF…?
──パラレルワールド

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 その昔、ローカルで不定期リリースされていたビデオマガジン。そこで自分にとって初めてとなるパートを作ってもらえることになり、年上のスケーターたちにあちこち連れていってもらってたときのこと。結果から言うとまだいくつかやりたいトリックや行きたいスポットなどあったのですが、1年足らずという短期間の割にはどうにかパートとしてでき上がりました(いま観ると稚拙さが滲み出ていますが)。1年足らずで撮影を切り上げたのはちょうど20年前の今くらいの時期。「切り上げた」と書いた理由ですが、大学進学を決めた自分は受験勉強に取り組まなくてはならなかったからであります。そりゃもう、撮影をともにしていた仲間がフッテージをた貯め、経験値を上げているのを横目に受験勉強というのはしんどいものでしたが、その甲斐もあって大学ワンメイク…ならず。そしてその後は浪人をきっかけに「せっかくの進学なら地元から飛び出してみよう」と思い、そうしたのです。
 さて少なからずの労力をかけてやっとこさ入学した大学生活。そこで真面目に勉学に取り組むかといえばそうでもなく、周りにいる人との関係も可もなく不可もなく。そして多くの人が苦しむであろう卒論なるものも自分の場合は提出が必須ではなかったため完全スルー。「大学=就職予備校」と化していた現状に違和感を抱き、卒業のための最低限の単位を取った後は就職先を見つけることもなくしれっと卒業するという、割と残念な形で学生生活を終えました。
 人並みに紆余曲折を経てここまで生きてきましたが、そんな人生の要所要所で大きな判断ミスをしたとは思っておらず、結果オーライとなっているようにすら感じてもいます。地元を離れ東京に出てきたことでより多くのモノや価値観を見つけることができたと思うし、仲間も見つけることができました。確か当時就職率97%ぐらいを謳っていた自分の出身大学ですが、残り数パーセントの少数派のでき損ないとして大学の在り方に「No!」を示したと思ってます。おかげでその後しばらくはスケートボードに打ち込むことができ、再び仲間らとパート制作に勤しんだりしたわけです。「もしあのときに地元から出ることがなかったら…」「もしあのときちゃんと就職していれば…」とたまに考えるのですが、やはりそこにはロクな自分の姿が想像できず、「ゾッ」としてしまうことが多いっす。現在ではスケートボードに直結した仕事に就き、寝ても覚めてもスケートボードのことばかりを考えられる生活を送っているわけです。これを「成功」と言わずして何と言いましょうか。目立った大金を稼ぐわけでもなければ、社会に貢献しているつもりもない、狙った通りの人生を歩んでいるでもないけれど、少なくとも自分は成功者だと思えるのです。
 一方でこうも思うわけです。もしパラレルワールドが存在するとして、そこに生きている自分は地元に残ってたり、そつなく学生生活を過ごしては無難に就職とかしてたのであろう。そんなパラレルワールドにいる自分が、「反対側の世界の自分はいい歳になってもスケボーのことばかり…」なんて聞かされたときには、それこそ「ゾッ」とするに違いない。

—Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 




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