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有形文化財
──ACCEL

2023.09.29

 スニーカー、ランニングシューズ、バッシュ、ブーツ、登山靴…。靴にもいろいろありますが、スケートボードに特化して作られる「スケシュー」もスケートボードのコミュニティを超えて愛されるひとつのカテゴリーとして定着しています。ちょうど自分がスケートを始めた2000年頃にもスケートシューズがブームとなっていました。当時通っていた中学と高校は指定靴がなく自由だったので、スケートシューズを履いて通学する生徒もちらほら。なんかおっかない先輩男子はもちろん、学年でも目立っちゃってるイケてる女子の足元もスケシュー率高しって感じで、もはや「スケシューを履くこと=ステータス」になっているとすら思えるほどでした。えぇ、そりゃもちろん僕もスケシュー通学でしたよ、だってスケーターっていう、スケシューを履く正当性が保証されていましたから。基本下ろしたての時以外は擦れて穴が空き、紐はちぎれ、それらを補強すべくShoe Gooを厚塗りした、オシャレとは程遠いきったねぇヤツだったけどな。
 とはいえ当時は大手スニーカーブランドもスケートにそこまで注力していなかったり、そもそも今みたくどのブランドもスケートシーンに参入なんてしていない時代。スケシューといえば根っからのスケートコミュニティ発のカンパニーからリリースされるものが優勢でした。それでもちょくちょくスケーターの枠を超えてブームになる名作スケシューは少なからず存在しました。
 流行り廃りと共にスケシューのフォルムやあり方も変わり、淘汰されていったブランドも少なくありません。しかしながらそんな流行り廃りの中で生き残ってきたスケシューを考えると、éSのAccelが真っ先に思い浮かびます。1995年にスタートした同ブランドの発足翌年にリリースされたこのモデル。リリースから30年も目前に迫るところですが、今なお一定数履いているスケーターがいて、またその多くがこればかりリピートしているという、いわゆる“信者”を多く持つモデルです。コストン、リック・マクランク、トム・ペニー、アート・サーリにPJ・ラッド…今も活躍し続けるトップライダーをサポートするという歴史を持つもチームは解散し、ブランド活動をストップしていた時期もありましたが2014年に復活。時代の流れを汲み、ボテっとしたものを改良・アップデートしスリムになったAccel Slimのシリーズも話題にはなりましたが、やはり現行ではAccel OGと呼ばれる当初のモデルが根強いファンに支えられている印象です。
 イナタイ(いい意味で)あのAccelを履いている人を最近見かけました。現在のスケシューや、大手ブランドからリリースされるスケシューもチェックし買ったりするわけですが、僕も往年の名作であるAccelだったり、当時の香りがするようなゴツい、コッペパンみたいなスケシューをなんだか久しぶりに履いてみたいって思ったわけだ。

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 




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