ADIDAS SKATEBOARDING - TEKKIRA CUP X MOMIJI NISHIYA

レッジトリックの聖域
──PIER 7

2026.04.30
Photo_Ando

 サンフランシスコのウォーターフロントに突き出したPier 7(第7桟橋)の根本。ここはスケート史において、テクニカルなレッジトリックの基準を根底から書き換えた象徴的なスポットのひとつ。
 その歴史は1901年の建設にまで遡りますが、現在知られる姿になったのは1989年のロマ・プリータ地震を経て再建された後のこと。驚くべきは、その再建時に設置されたコンクリートブロックの精度。高さ、長さ、配置。そのすべてがスケーターにとってあまりに完璧で、あろうことか一部のブロックにはアルミのエッジまで備わっているという楽園。
 '90年代後半に改修工事によってメッカと謳われたEMBが事実上の終焉を迎えると、SFのグラウンドゼロとしての役割はこのPier 7へと引き継がれることになります。以来、このレッジ&マニュアル天国からは数々の伝説的なクリップが世界中へ発信されてきました。EMBに続き、Pier 7はレッジにおけるテクニカルトリックが極限まで進化した実験場だったと言えるでしょう。
 そんなPier 7の顔のひとりとして知られるのがジャック・カーティン。2002年のGold Wheels『Got Gold?』のボーナスパートのラストを飾ったのもPier 7でのクリップでした。最近ではNew Balance Numericからリリースされたティアゴ・レモスのシグネチャー1010のインソールに、ジャックが描いたPier 7のアクリル画が採用されたことも記憶に新しい。この1010自体、同スポットのグレーのコンクリートから着想を得た配色で、ティアゴ自身もこの場所に影響を受け、近年もエグいクリップを残しております。Numericの1010は公開中のThumbs Upという企画でチェック(www.vhsmag.com/thumbs_up/new-balance-numeric-un101ps/)。
 何気ない桟橋の一角で歴史が刻まれ、世代を超えて共有されていく。スケートスポットの持つパワーのすごさに思わず敬服してしまいます。ということで、New Balance Numericが祝福するPier 7の重要性をジャック&ティアゴのクリップを通して改めて再確認。

—MK

 

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