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中年おじさんのスケートボードとの向き合い方
──いつまでスケボーなんかやってるの?

2018.09.07

 「いつまでスケボーなんかやってるの!」。親や親戚、さらにはかつての仲間からもそんなことを言われては嘆くスケーターの姿を見てきたし、同じ気持ちを吐露したインタビューもこれまで何度も読んできました。どうやらそれは日本だけでなく、世界各地のスケーターが言われる常套句のひとつであるようです。
 自分が12歳でスケートに初めて乗った時、「コイツとは長い付き合いになりそうだ」と直感的に思ったのを今でも覚えていますが、30歳を過ぎた今もその遊びが続いているとは思いもよりませんでした。楽しさは薄れていくどころか年々増していく一方。きっとどこかのタイミングでフェードアウトしていた方がまだ賢明な人生を送れたでしょうか。依存性の高いドラッグみてぇなスケートボードというヤツから足を洗えるのはまだまだ先の話になりそうです。
 それでは限られた人生、いったい何歳くらいまでスケートに乗り続けられるのでしょうか。こちらもまた全世界のスケートボード中毒者が頭の片隅に抱える永遠のテーマであるはずです。スケートボードと共に成長し、中年となった巷のおじさんスケーターたちはいまだに楽しそうにはしゃいでいます。目標とするトリックの習得に数年計画で挑む者もいます。そんな姿を見ているとやはり「スケートのない生活ってこの人たちには無縁なのだろう」と思う次第。
 わずか5年という短期間ながら、渋谷の街の真ん中に奇跡的に存在していた宮下公園のスケートパークでは都内やその近郊はもちろんのこと、世界各地から訪れるおじさんスケーターとセッションできる機会がありました。運がいいとマーク・ゴンザレスやトミー・ゲレロ、レイ・バービーといったスーパーレジェンドたちの滑りを眺めながらスケートできることも。Vansの50周年イベントのタイミングで来日中のトニー・アルヴァがバリスケしている姿も偶然見ることができたのですが、気持ちのいいカービングからトラックを当てるラインを探ったりウィールを擦って鳴かせてみたりと、スケートボードとの対話を楽しんでいるようでした。その当時で確か60歳手前、もちろん自身の全盛期の頃や現在の若手のようなスケーティングはできないのは明らかですが、それでもなお自分のやれることを見つけ爪痕を残さんとする姿は今でも心に焼き付いています。そして「自分も少なくともあと30年はスケートできそうだ」と。
 さて、オリンピックの正式種目にスケートボードが決定し、マスメディアで取り上げられる機会が増えました。「いよいよ社会に認知されてきたなぁ」と肌で感じることができます。挙句の果てには「いつまでスケボーなんかやってるの!」なんて言ってた人たちも「あんたも長いことやってるんだからオリンピック出たらいいさぁ」とハンドフリップ、いや手のひら返しをしてくる始末。スケートボードのメインストリーム化に関しては賛否両論ありますが、スケートボードの未来は明るいぜ!

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 

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