ADIDAS SKATEBOARDING

誰も想像しなかった未来へ
──予想超え

2025.11.14

 ここ最近のスケート的アツい話のひとつといえば、日本発のスケートカンパニーが海外のスケーターをサポートするということでしょうか。インデペンデントなシューズカンパニー、PossessedやAREthへの海外勢の加入。またASICS Skateboardingのシューズを履いた海外勢の姿もかなりの頻度で見かけるようになりました。EvisenもOZスケーターのダンテ・ナリタの加入がアナウンスされ、先日そのウェルカムパートの試写会も行われています。
 コロナ禍にスケートボードを始めた方々の目にはそれがどのように写っているのか自分にはわからないですが、10年、20年、30年やそれ以上の月日をスケートボードと向かい合ってきた者たちからすれば、それは「すごい」「夢がある」「快挙」といった言葉が出てくることでしょう。少なくともこんな未来が待っているとは予想だにしていなかったはず。かつて日本国内で活躍するスケーターの受けるサポートというものは代理店を通して海外ブランドのギアやシューズを提供してもらうというのがやっとの世界。いや、もちろん十分にすごいんすよ、それでも。いくら目指してもその域まで行きつかないスケーターなんてごまんといるわけですから、自分含めて。それが日本のシーンの台頭に伴い、海外ブランドとの直接契約を結ぶスケーターが増え始め、晴れてプロとして結果を残すスケーターも次々に現れるようになった現在です。
 と、ここまでは日本のスケーターが海外ブランドからのサポートを受けるという話。それが今では日本発のブランドが海外勢を迎え入れるまでになったわけですからねぇ...。いかんせんアジアの端っこに位置する島国、スケートボードがより盛んな欧米諸国とは物理的にアクセスが容易ではありません。距離だけでは表現し得ないさまざまな壁が存在することも想像に難くありません。そんなハードルを超えてくるブランドが出てくるなんて、過去のシーンを通ってきた者たちにとってまさに夢のある快挙なんです。
 これもひとえに日本のスケートシーンが成熟してきた証左だと考えます。「スケートボードはアングラなもので、そこに行きついた一部の者でせめぎ合っているのがかっこいい」という意見。それも重々承知の上で申し上げると、そこだけでは昨今のこの快挙は存在し得なかったはず。時にはスケートボードに関係のない企業や人を巻き込みながら、あくまでもスケーター目線・スケーター主体でその真髄を捻じ曲げられることなく、シーンをより成熟させていくことが今を生きるスケーターのノルマであると僕は考えます。
 以前どこかの原稿で見たのですが、スケートシーンは流行り廃りを繰り返し、次、そのまた次とやってくるブームの波動はどんどんデカいものとしてやってくるらしい。いったん落ち着きを見せているかのような日本のスケートシーン。次の波は一体どうなんのよ? きっと予想だにしなかったことが次々起こるに違いない。あぁ、スケートボードがやめられない。

—Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 



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