RICK HOWARD

RICK HOWARD
LAKAIの最新フルレングス『THE FLARE』公開のタイミングでリック・ハワードにインタビューを敢行。マイク・キャロルとともにブランドを切り盛りする男が撮影の舞台裏を語る。

[JAPANESE / ENGLISH]

Interview by VHSMAG, Photos courtesy of Lakai, Special thanks: OSC Distribution

VHSMAG(以下V): 『The Flare』の完成おめでとうございます。前作の『Fully Flared』から10年振りのリリースですね。

Rick Howard(以下R): ありがとう。あれからもう10年?

V: だと思います。Crailtapとしてはその間に『Pretty Sweet』という大作のリリースもありましたね。『The Flare』の制作期間はどれくらいでしたか?

R: GirlやChocolateとスポンサーが被っているLakaiライダーにとっては『Pretty Sweet』の撮影を終えてから次のプロジェクトに移行するのは大変だったと思う。『The Flare』の撮影を始めたのは4年ほど前かな。ちなみにスティービー・ペレズのパートは2年前にすでに完成していた。同じ頃にライリー・ホークも映像がたまっていたから「よし、そろそろ本格的に始動しよう」ということになった。だから本格的に撮影したのは実質的に3年間くらいかな。ケガに苦しんだライダーもいた。ライリーは何回か辛い手術を受けなければならなかったし、スティービーは1年半ほど前に臀部を骨折したから。

V: 制作チームについて聞かせてください。

R: 数え切れないほどのフィルマーに協力してもらった。ライリーは仲のいいジェイコブ・ヌネズというフィルマーと動いていたし、スティービーはチームマネージャーのダニエル・ウィートリーとよく撮っていた。その他にもジョン・マレロやライ・ベレス…本当にたくさんのフィルマーに協力してもらった。

V: そして、作品をまとめたのはフェデリコ・ヴィテッタ。

R: そう。「球体の脳みそ」のようなカメラでイントロを撮るアイデアを考えたおかしなイタリア人。あれこそイタリア式撮影術。フェデリコはずっとGirl Filmsの一員として制作に関わってきた。10年前の『Fully Flared』の制作にも関わっているし。でも今回の『The Flare』はヤツが初めてディレクションをした作品。

V: 今回、タイ・エヴァンスは関わっていないのですか?

R: タイは『Pretty Sweet』を終えてからオレたちと別の道を進むことになったんだ。だから今回は関わっていない。でも今回の撮影もこれまでと同じくらい楽しかった。スマホ、ステディカム、Redなどいろんなカメラの映像を使ったんだ。全体を通してあらゆるフォーマットの映像を使えたのが楽しかった。

V: タイ・エヴァンス不在で大変だったことはありませんでしたか?

R: フルレングスの撮影中はツアーに出ていることが多い。そのツアーにタイがいなかった…それが今までと唯一違うところかな。特に大変なことはなかったと思う。タイはプロ意識の高い映像作家だったし、これまでヤツと一緒にプロジェクトを形にすることができたのは最高だった。でも、今回もフェデリコのイタリアンスタイルがあったから楽しかった。何度も国境を越えてメキシコに行ってクレイジーな体験をすることができたし。ヨーロッパにも行ったな。日本にも行ければよかった…次回はぜひ日本にも行きたいと思う。

V: 『Fully Flared』以来、チーム構成に大きな変化がありました。10年経って若手中心になったような気がします。

R: サイモン・ベネロ…。ヤツは高校を卒業したばかりのシアトルからやってきた若手。最高のスケーターだ。サイモンをはじめとする何にでも前向きな若手とツアーに出ることができたのは新鮮だった。すべてがフレッシュで楽しかった。マンチャイルド、ライリー、シーボ…シーボにとってはこれが初めてのLakaiのパート。みんながひとつのフルレングスビデオでパートを残せたのがうれしくてしょうがない。

 


 
V: ヨニー・クルーズもプロに昇格したばかりですよね。

R: そう。SFの試写会でね。サプライズだったんだけど、全然気づいていなかった。LAの試写会でサプライズをしようとも思ったんだけど、どうせならGX1000で活動しているSFのほうがいいと思ったんだ。SFはヤツの庭みたいなものだから。あれは最高の夜だった。マジで驚いていた。

V: 今回はリックとマイク・キャロルのフッテージも収録されていましたね。東京の試写会でも声援が上がっていましたよ。

R: ありがとう。オレたちのフッテージをあちこちに散りばめるのは楽しかった。でも、今回のビデオはあくまでもサイモン、マンチャイルド、ヨニーといった若手が主役。これはヤツらの作品なんだ。でも、みんなキャロルのフッテージをもっと観たかったんじゃない? キャロルのラインは良かった。正直驚いたよ。『Pretty Sweet』でオレは何も撮らなかったから、今回こそはと思ったけど身体の調子とかいろいろあってね。もう少し撮りたかった。次のプロジェクトはまだ未定だけど、次回がんばりたい。

V: ブランドをずっと続ける秘訣は?

R: ブランドに関してはどれだけ愛情があるか。それが大切だと思う。自分にとってどれだけ大切なものか。それをしっかりと知ることが大事。スケートに関しては、モチベーションを保たせてくれる仲間が大切だと思う。ツアーもスケートを続けていく上で大切な要素。仲間と旅に出る。そして一緒にプロジェクトを実現させる。できるだけ長くこの活動を続けていきたいと思う。その秘訣? それはまだ見つかっていないね。

V: 今回の撮影でもっとも印象的だった出来事は?

R: 一番印象的な出来事…。難しい質問だね。印象的か…。多すぎてひとつに絞るのは難しい…。逆に聞くけど、何が一番印象的だった?

V: 全体を通してのスケーティングが最高だったのはもちろんですけど、個人的にトニー・ホークが登場するシーン。息子のライリーもセッションにいて。

R: あれは素晴らしい1日だった。実は泣いてしまったからね。素晴らしすぎて泣いちゃったんだ。本当に特別な1日だったからオレもそのセッションに1票。今回の作品にはトニーのフッテージを入れたいとずっと思っていた。だからそれが実現して光栄だよ。だって世界で一番ヤバいスケーターのひとりであるトニー・ホークだぜ? みんなを集めて彼にリスペクトする機会を持てて良かった。本当に最高で楽しい1日だった。

 

 
V: マンチャイルドもトニーとダブルスができて興奮していましたね。

R: あれはヤバかった。マンチャイルドのデッキ見た? ボロボロでテールがまったくない。それで「このデッキは’92年のものだけど、オレは’96年生まれだ!」とか何とか言っていたんだっけ。あの言い方が典型的なマンチャイルド。ヤツといると毎日が印象的になる。NYで2週間ほどサイモン、マンチャイルド、キャロル、ウィートリーと過ごしたこともあったけど、そのときも街中をプッシュで回れて楽しかった。いつでも仲間と一緒にクルージングするのが一番の思い出になる。

 

 

『The Flare』は、今のLakaiに所属するライダー全員が主役

V: 昨今はオンラインでソロパートを公開することが多いですが、敢えてフルレングスを制作しようと思った理由は?

R: みんなフルレングスの「パート」、つまり集合体の一部分でありたいからだよ。The Nine Clubでトニー・ホークがいいことを言っていた。日本でNine Clubが観られているかわからないけど…。

V: 『The Flare』の試写会のエピソードはもちろん観ました。あの番組は面白い。

R: 試写会でトニーが言ったことは素晴らしかった。フルレングスでパートを持つということは、集合体として、仲間と協力して形にしたビデオの一部分、つまりひとつのパートであるということ…。でも昨今のソロパートに対してトニーはこう言っていた。「あれは一体、何の一部分なんだ? 何の一部分でもない。主役は自分だけじゃないか」。『The Flare』はLakaiが主役で、今のLakaiに所属するライダー全員が主役。仲間が一丸となって協力してできた賜物。それを形にするにはそれなりの時間がかかる。だから3、4年かかったんだ。ライダーのケガが重なることもある。それがグループプロジェクトというもの。そして、自分のためだけじゃなく、みんなで協力したことで作品が完成し、最終的にこの上ない感情がこみ上げる。時代が変わったのはわかっている。でも、周りを見渡してもフルレングスは健在だ。『Made』も『GX1000』も素晴らしかった。このような作品が今でも作られているのがうれしい。オレたちはこれからもフルレングスを作り続けるつもりだ。みんなの刺激になるからね。

 

 
V: では『The Flare』の中でお気に入りのパートは?

R: ん〜…。難しいね。レイヴン(・ターシー)のパートかな…。あれはヤバかった。でもみんなのパートに甲乙はつけがたい。でもやっぱりトニーとマンチャイルドの絡みかな。あれがお気に入りのパートとしておこう。個人的にスケートボードの醍醐味はすべての世代がひとつになってセッションできること。でもレイヴンのフッテージは…あれはほとんど偶然に誰かが録画ボタンを押したから撮れたものなんだ。要はディレクションなし。ライブで撮れたものばかり。あのスケーティングを記録できたのがうれしい。

V: 話は変わりますが、スケーターが運営するブランドの魅力は何でしょう?

R: 自分たちですべてをコントロールできること。何でもやりたいことができる。ブランドに関わるスタッフ全員が発言権を持っている。そして、主役はライダーのサイモン、マンチャイルド、ヨニー、ライリーたち。Lakaiの醍醐味はライダーが主役ということ。スケートインダストリーに他のフィールドから介入してくる人たちがいるけど、そういう人はやって来ては去っていく。でもスケートボードそのものは何も変わらない。そして正しい理由で介入してくる人たちはシーンに貢献して居続けるものだ。そういう人たちのおかげで人生が好転したスケーターがいるのは素晴らしいことだと思う。そういったことがこの先も継続してずっと続けばいいと思っているよ。

V: ではLakaiの魅力とは?

R: 個人的な意見になるけど、Lakaiは最高のスケートシューズだと思う。だってマイク・キャロルがいるんだから。キャロルが管理しているんだから間違いない。だからLakaiの魅力はマイク・キャロルということにしておこう。

V: Girlとのコラボコレクションがリリースされているんですよね?

R: そう。ブラックとグリーンの水玉模様にインスパイアされたもの。日本でもすでに発売していると思う。Griffinモデルのサイドにオーリーパッドを付けて少しひねりを加えた感じ。人気モデルのGriffinだからいい感じに仕上がったと思う。ブラックとグリーンのカラーリングはもちろん『Yeah Right!』から。

V: ヨニー・クルーズとマンチャイルドとのコラボもあるんですよね?

R: それはStapleモデル。ヤツらのカラーウェイでのリリース。いい形で復刻できて良かった。キャロルのお気に入りモデルだからね。しかもリアルなスケートショップだけでの販売。だからStapleを取り扱っているショップはリアルだということ。Lakaiを取り扱っているショップはスケートボードをしっかりと支えているショップだ。

V: では最後に、Lakaiで実現したいプロジェクトは?

R: レイヴンがスピードの世界記録を破りたいと言っているんだ。スピードコンテストがあってロングボーダーが世界記録を保持しているらしい。だからオレたちはレイヴンに協力して世界記録を破りたいと思っている。目標は2020年の東京オリンピック。スケートボードのスピード種目はもちろんあるよね?

V: いや、ないと思います。

R: じゃあ、今から作るべきだ。スケートボードの陸上競技みたいな感じだね。世界最速のスケートボーダー。それが2020年に向けたLakaiの目標(笑)。

 


リック・ハワードのリミックスフッテージ集。

 


仲間との触れ合いを効果的にフィーチャーした『The Flare』のトレーラー。

 

リック・ハワード www.oscdist.com/lakai/

1972年生まれ。カナダ出身。クリーンなスケーティングで人気を博し、’80年代終わりにBlockhead、’90年代にはPlan Bの一員として活躍。マイク・キャロルらとともに’93年にGirl、’99年にLakaiを設立。現在も運営に携わっている。

リック・ハワード
www.oscdist.com/lakai/

1972年生まれ。カナダ出身。クリーンなスケーティングで人気を博し、’80年代終わりにBlockhead、’90年代にはPlan Bの一員として活躍。マイク・キャロルらとともに’93年にGirl、’99年にLakaiを設立。現在も運営に携わっている。
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