先日、某プロジェクトの打ち合わせのために渋谷駅前にあるTsutayaへ。待ち合わせの6Fに早く着いたので店内をウロウロすると、書籍の販促企画として著名人がお気に入りの1冊をレコメンド…みたいなコーナーがあり、そこで見つけた『詩人と女たち』。あーやっぱブコウスキーはいいよねってことで、今回は酔いどれ詩人ことチャールズ・ブコウスキーについて。
チャールズ・ブコウスキーは1920年にドイツで誕生。'23年にアメリカに移住、父親から虐待を受けて育ちます。大学中退後に各地を放浪、郵便配達員という底辺職で長年糊口をしのぎつつ創作活動を続け、商業的成功をなし得たのは49歳という遅咲きの作家・詩人。
彼の小説の特徴は、「楽をしたい、酒を飲みたい、女とやりたい」という欲望に沿って書かれているところ。社会の底辺で過ごした作家の実体験に基づいた内容が、ブコウスキーの分身であるヘンリー・チナスキーのフィルターを通して生々しく描かれています。なかでも一番の特徴は、人間の心の奥底に隠しておきたいようなことをすべてさらけ出しつつも、それを俯瞰して見るかのようなその文体。これぞ“スタイル”としか言いようがありません。酒・女・ギャンブル、ブコウスキーがこよなく愛したものはどれもこれも刹那的…だからこそ、多くの人が共感できるのかもしれません。
多感な10〜20代前半のみなさんにぜひ読んでもらいたいブコウスキー。ちなみに自分は『詩人と女たち』を学校の読書感想文としてみんなの前で発表してクラスメイトをドン引きさせた経験アリ。猫パンチ(古っ!!)でおなじみ、ミッキー・ロークがチナスキーを演じる映画『バーフライ』もぜひディグってみてください。
--TM
ブコウスキーの朗読にあわせ、往年のスケーターをモーショングラフィックで表現。
こちらもスタイルについて語るブコウスキーの朗読をフィーチャーしたネイト・キーガンのミニパート。