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あのロゴはいずこへ?
──IRON CROSS

2025.03.25

 Indyといえば力強いアイアンクロスロゴ…というのはもはや過去の話。ご存知の通り、現在このロゴは使用されていません。2020年頃に使用が中止されて以来、トラックのベースプレートからもアパレルからも姿を消しています。
 Indyのアイアンクロスは、ブランドの核となる「スケート、独立、自由」を象徴するロゴとしてスケートコミュニティに浸透しました。また、'70年代の南カリフォルニアのサーフィンやモーターサイクルカルチャーにおいても広く親しまれたデザインだったそうです。ただその一方で、ナチスの記章にも使われていた歴史があり、そのビジュアルが「白人至上主義のシンボルに似ている」として批判を受けることもありました。
 ロゴをデザインしたジム・フィリップスは、たしかにオリジナルのアイアンクロスからインスピレーションを受けたと認めています。しかし、それを独自にアレンジし、最終的にはローマ教皇の写真を参考にしてロゴを完成させたとのこと。特定の政治的イデオロギーやヘイトグループを象徴する意図はまったくなく、さらなる論争を避けるためにロゴの変更が決定されました。
 当時、この決定については賛否が分かれました。キャンセルカルチャーの負の遺産だと主張する声もあれば、すべての人にリスペクトを示すという意味でスケートコミュニティが一歩前進したと捉える人もいました。
 これがざっとアイアンクロスロゴが姿を消した背景。こうしてIndyのアイアンクロスはスケート史の一部となり、現在のロゴへとバトンタッチ。あのロゴが刻んだ歴史と象徴するスピリッツは、今なお多くのスケーターの記憶に刻まれていることは言うまでもありません。

—MK

 



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