SFのアイコン的スポットとして知られるチャイナバンクスがなくなるらしい。チャイナタウンのポーツマススクエアという公園に架かるあの橋は地域の住民にとってはほとんど機能しないものでしたが、スケーターにとっては間違いなく特別な場所。これまでに数え切れないほどのトリックが記録され、次の世代に手渡されていきました。
今回の撤去は再開発という文脈で見れば理解できる話であるとは思います。公園を明るく開かれた空間にするために、使われていない橋を取り除くことは行政の視点からすれば合理的な判断。ただそこにはスケートカルチャーが積み重ねてきた時間や意味は含まれていません。
スポットが取り壊されるという話は決して珍しいことではなく世界中で繰り返されてきましたし、スケーターはつねにそうした変化とともに転がってきました。それでもやっぱり長い歴史のあるスポットがなくなるのは寂しい。スケートパークにレプリカを作ることはできても、実際の現場でのセッションまで再現することはできません。
報道によれば、ポーツマススクエアの再設計工事は来年にも着工予定。そしてその初期段階で、あの橋は撤去される見込みとのこと。ハバハイドアウト、EMBの大部分に続いてチャイナバンクス。SFのスケートシーンを象徴する景色が時代とともに失われていきますが、チャイナバンクスの終わりはひとつのスポットの消滅であると同時に、ストリートスケートが街とどう関わってきたかを改めて思い出させる出来事でもあるような気がします。
—MK












