Jenkemで興味深い過去記事を見つけました。タイトルは「最も忌まわしいトリック:ベニハナの真実」。その名の通り、あのベニハナというトリックについて深掘りした内容。
あくまで一般論としてですが、ベニハナは多くのスケーターにとって「クールじゃない」トリックというレッテルを貼られています。このトリックを考案したのは’80年代に活躍した日系アメリカ人バーチカルスケーターのレスター・カサイ。1985年に初めて披露されたと言われています。名前の由来は、レスターとトニー・ホークが当時よく通っていた日本食レストランBenihanaからきているそうです。
ただしレスターが考案した本来のベニハナは、フェイキーでランプを上がり、空中でバックフットを外してテールを掴み、レギュラーで着地するというもの。つまりフェイキースラスターのフットプラントなし版のような動き。一方で、現在一般的にベニハナと呼ばれているのは、ランプ、バンク、ステアなどで前に進みながら行うもの。実はこれ、厳密にはベニハナではなく、正式名称は「ベニボンガ」なのだとか。なんとも奇妙な名前…。
スケートはあくまで自由なもの。どんなトリックをするかは本人次第でルールなんてありません。ただ、バックフットを外すその動きが初心者の雑なオーリーを思わせたり、このトリックをスタイリッシュに昇華させたスケーターがあまり登場しなかったこともあり、いつの間にか「皮肉の対象」として語られるようになったのかもしれません。
繰り返しますが、スケートは自由です。このコラムも、ベニボンガをやるスケーターを茶化したり揶揄する意図は微塵もありません。最近、トリックの背景にあるストーリーを紐解くのが楽しくて仕方ないだけ。
というわけで、次からこのトリックについて語るときは、「ベニハナ」ではなく、正しく「ベニボンガ」と呼びましょう。なにはともあれ、「いつまでもたのしみぃ」
—MK










