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 10代の頃って無鉄砲で本能的。いやむしろ自分の場合は、目の前に現れた…
──Teenage Dream

2011.12.26

 10代の頃って無鉄砲で本能的。いやむしろ自分の場合は、目の前に現れた事象に対してとっさに身体が反応していたから、それは逆に無意識に毎日を過ごしていたとも言えるかもしれない。
 そんな10代の後半、そう高校生の頃だ。そろそろ進路を決めなければならず、担任の先生には、その答えを急かされていた。とはいっても毎日が無意識の連続。特別やりたいことも思いつかず、ただ何となく大学進学はしようと決めてはいたものの、さほど学力もないし、かといってどうしても入りたい大学があるわけでもなく、はっきりしない毎日が続いていた。
 けれどそんな無意識な自分を変える出来事が突然として訪れる。それはテレビで見たフォトグラファーのドキュメンタリー。そこにはブレを味として活躍を続ける森山大道の姿があった。その番組は彼の創作の現場を追いながら、人間性にフォーカスしていくというものだったが、それを見て、別に彼に憧れたワケでもなく、彼の作品が気に入ったというワケでもなかった。そう、自分はただただ彼が手にする、大掛かりなカメラ機材に夢中になった。あんなにいっぱいの機材を使ったら本当に楽しいだろうなぁ。小さい頃から機械が大好きだった自分にとって、フォトグラファーという仕事は至極、魅力的に映ったのだ。
 こうして自分は突然としてフォトグラファーを目指し、美術大学へ進路を決めた。まぐれにも大学受験では希望の大学へ合格し、映像・写真コースを専攻。親のすねをかじりカメラやビデオ機材、そしてMACを手に入れ、いま見るととんでもなくつまらない作品を量産していた。別に何かを表現したかったわけじゃなく、ただただ機材を使い込みたいだけだった。
 けれどいつしか興味は、写真や映像から雑誌の編集へと移っていく。もしかしたら、フォトグラファーやビデオグラファーとしての自分の才能に、将来性を見いだせなかったのが興味を失った本当の理由かもしれない。そして、自分は仲間の撮った写真を集めてフリーペーパーを製作することに夢中になった。こうして現在でも雑誌の編集を続けていることを考えれば、それはそれで正しい選択だったといえるだろうか。まぁ、どちらにせよそれまでとは異なる立場で、写真と向き合うことになったのである。
 とにかくいまこうして雑誌の編集者として、フォトグラファーが撮影した至極の作品と向き合うのはこの上なく楽しい時間だ。そう、SLIDERが創刊されてから丸2年、多くのフォトグラファーたちが素晴らしい作品を本誌に提供してくれた。そして今回のスライダー最新号ではそんな素晴らしいフォトグラファー、例えばGrant Brittain, Lance Dawes, Brian Gaberman, Mike O’Meally, Andy Mueller, Ken Gotoたちを作品とともに紹介していく、今までとは一風変わった企画だ。ぜひとも本を手にとって、そしてページを開いて彼らのスケートに対する考え、そして関わり方を感じ取って頂ければと思う。きっと彼らの写真には言葉では伝えることができないほどの、大きな力が秘められているはずだから。

――Kota Engaku

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