VOL. 005
今回は少し前の作品を紹介しようか。スケート映像作品にしては稀にみるメッセージ性の強い作品です。スウェーデンの奇才ポンタス・アルヴによる2作目。驚くことに撮影、編集はもちろんのことライディングからアートディレクション、セールスまで自身でこなしているというすごい作品です。何かと物議を醸した1作目の影響からか、リリース前からかなりの前評判でした。でもスウェーデンの作品なので日本国内ではなかなかお目にかかれない逸品でした。でもそこは彼のメインスポンサーであるcarharttがパートナーシップを結び日本国内でも試写会を行い、ポンタス本人も来日したというエピソードは記憶に新しいですね。
さてさて気になる内容ですが、まず目をひくのがスウェーデンのスポット事情。見慣れたアメリカやバルセロナなどでないのですごく新鮮です。とくにポンタス自身が作ったコンクリ・セクションはヨダレものの極上品。友人たちと作りあげる様子も映像にあり、ひとつのトリックをメイクする喜びもまた格別そうです。そして合間合間に入るポンタス自身や彼の家族の映像など、ノスタルジックでいて切ない中にも暖かみを感じ彼の家族愛、母国愛を感じます。そして目をひくのは、他の作品ではあまり見られないスウェーデンのストリートスポットにテンションあがります。日本ではまったく知られていないようなクソ上手スケーターがガンガン街を攻めてます。中盤にはスペインのスポットやパークでClichéやBlueprintなどのライダーのフッテージも見ることができ、ユーロ圏のライダーの層の厚さも垣間みれます。それにしても極上スポット満載で撮影をしているポンタスが現役の攻めてるスケーターなせいか、ライダーとの距離感などすごくいいです。各D.I.Yスポットの作っている映像から撤去までの様子などもあり、胸熱になる場面もありスケーティング映像以外にも見どころ満載の作品ですね。
とにかくこの作品はアメリカ主体の物へのロンギヌス的な雰囲気がプンプンするので、極東日本のシーンでもポンタスのメッセージを断片的にでも感じて欲しいですね。では文字数の関係でサラっとさわりだけの紹介になてしまいましたがここらでドロンさせてもらいます。
いやー、本当にスケート映像作品っていいですね。