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笑う門には福来たる
──MAKE HATERS SMILE

2022.03.25

 路上でのスケートボードは普通は逮捕とまではならないグレーゾーン。だからとて攻める場所は考えなければならないですし、どんないいスポットでもマナーの方が重視されるべきだと考えています。縁石に当て込むのも良し悪しを判断しなければなりません。また通りすぎていく人にむやみに突っ込んでいくのは良くないとか、車道に飛び出して自動車に急ブレーキをさせるのは良くないとかそんなところでしょうか。「迷惑スケボー」と思われても仕方のないような動きは極力避けるべきですね。
 それでもストリートで滑っているとセキュリティや警察、単なるヘイターから目の敵にされるのは日常茶飯のこと。僕みたいな30代も半ばのスケーターにもなると年下の方に注意されることも少なくありません。すると俄然、「なんか、すみません…」という気持ちにもなるわけです(笑)。そして年を重ねていくごとに、それらを理由にストリートスケートから遠ざかる人が増えていくのも事実です。ですが、そんなことでストリートを離れるのはなんだか寂しい気も…。自分で見つけて頭に思い浮かんだトリックがバッチリ乗れたときに脳内を滴る喜び汁は何物にも代え難いもので、それを塞ぎ込む必要もないと僕は思うのです。その場所でのベストトリックやNBDを狙わなくとも面白いものは面白い、パークにはないはずの物件を自分のスキルでいかに調理するかってのが最大のミソですからね。
 最近僕が試みているのは、噛みついてくるセキュリティやヘイターをいかに笑わせられるか。いきなり怒鳴ってこられたり、滑っているところを犯罪者扱いで撮影されるのは気持ちのいいものではありませんが、それに噛みつき中指立てる気持ちを抑え、まずはコミュニケーションを取ってみる。最近もありました。プッシュしてるだけで「ここで滑るなって何度も言ってるだろーがよ!!!」ともの凄い剣幕で怒鳴ってきた警官がいたのですが、「やややオレここらの住人じゃないから知らないす。お巡りさん、いきなりその言い方は悪すぎるからもっとお手柔らかに頼んますよ」と。それでふと我に返ったのでしょう、笑みを浮かべて「ごめんねぇ、ここで乗らんようにだけお願いよ〜」と。また別のスポットでは通報を受けて駆けつけたお巡りさんに「お巡りさんも好きなことあるでしょ?」「どーしてもここでやりたいんす」なコミュニケーションで譲歩を引き出すことに成功、数発のトライが許されました。これに関しては最近公開されたDiasporaのビデオのハカセのパートが最もいい例を見せてくれたように思います。怒る警官を説得、限られた回数でのトライ、そこで出たベストトリック(ノーリーBsヒール)は今後語り草になっていくことでしょう。
 スケートしてたら必然と喰らうことになるヘイターやセキュリティからの突っ掛かり。そこでの言い争いは両者にいいことがないので、「そいつらを笑わせられたらオレの勝ち」ということにしていますw そういや先日東京都のオフィシャルインスタグラムに堀米雄斗が登場、また彼の投稿では「初めてのスケートボードオリンピック開催地として、東京都がスケートフレンドリーな都市になるよう取り組んでいる」と記されていました。「スケートフレンドリーな都市」とは…勝手にさまざまな憶測をしていますが、いち庶民スケーターとしても小さいことながら、スケートフレンドリーな考えを持つ人が増えるような振る舞いをしつつ、ストリートを楽しんでいきたいと思うばかりです。

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 




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