中学の頃にお世話になった、とある担任の話。「熱血教師」という言葉を体現したような、厳しい指導のもとで自分ら生徒は育ちました。「机の歪みは心の歪み」が口癖で、生徒の机は縦に横にキレイに並び、床にはゴミはもちろん、教科書すら置くことが禁じられていたほど。他の教師や授業参観に来た親御さんからは教室のキレイさを褒められる一方、他のクラスの連中からは「マジメすぎんだろ」と揶揄されることもあり、それがちょっとした苦痛でもありました。宿題を提出しないと居残り学習。ちょっとした校則違反や素行不良で公開処刑されたことも2度3度。まぁそんな調子だったので自分らはその窮屈さに辟易し、愚痴や陰口の絶えない日々でした。しかしそれも嫌われ役を買ってまでしての教育であろうことはみんな心の奥底では理解していて、他のどの教師よりも生徒を思う暑苦しい教師であったというのが共通認識としてありました。
記憶に残る思い出としては、ひょんなことから自分が出たスケートのコンテストにその担任がわざわざ見にきてくれたこと。当時のコンテストの風景といえば現在のように健全な雰囲気などなく、そこにいるのは中高生から20代前半ぐらいのやんちゃそうなスケーターばかり。会場は一昔前のゲーセンみたく薄暗く、グラフィティやステッカーのボムがあたり一面に広がる一見おどろおどろしい室内パーク。ごく普通で善良な大人が浮いて見えるような雰囲気すらあったので、その担任が予選だけ見て帰っちゃったのは、きっといたたまれなくなったからに違いない。結果、自分はそのコンテストのBクラスで優勝し、翌日学校で報告したところ、自分の思う以上に喜んでくれました。その担任教師と最後に会ったのは10年近く前のこと。あの時のスケボー少年は今、ここで毎週記事を発信していたり、パークビルドの仕事をしていると聞くと喜んでくれるに違いありません。
もしも、ですよ。教師として職務を全うするような人間ではなく、裏では悪事を働いていたとしたらどうだろうか。教師の周りに悪いヤツがいて、危険薬物の流通に加担したり、他校のヤンキーが殴り込みに来ても見て見ぬふり、学級費や修学旅行の積み立てからしれっと自分のタバコや缶コーヒーを買ってみたり…。まぁんなことはないと信じたいところですが、勘のいい人はお気づきかもしれません。「まるで今の日本の政治じゃねぇか」と。そうなんよ、今のニッポン。
さて今月20日に行われる参議院選挙が今のホットな話題でしょうか。よほどの悪事でも働かない限り学校教師もクビになることはないかもしれませんが、国民が目を光らせる選挙ではロクでもない政治家や政党をじわじわ追い詰めることができますぞ。若い世代ほど選挙に無関心、投票に行かないという実態がありますが、みんなの1票がどれだけの力になり、国を動かす力になることか。この選挙のなり行きの鍵を握るのは主に40代以下の国民がどれだけ投票に参加するかだってよ。これ読んでるのも40代以下が大多数でしょう。国民生活の現状を憂い嘆くだけでは何も変わりません。何よりも投票に行くことが、生活を変えるにはタイパがいいらしいので、近所の学校や投票所に徒歩でもプッシュでも行きゃいいんす。
以前にも書いたことがありますが、若い頃自分の心に刺さったとあるスケーターの言葉。「投票に行かないヤツは政治について文句言う資格ないからな」。逆に言うと投票さえすれば、気に食わない政治家に中指を立て遺憾の意を向けるのもOKである。投票済証明書を持参すれば割引が受けられるキャンペーンを開催するナイスなスケートショップもちらほら存在しているぞ。Let's vote, you skaters!
—Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)










