とある若きスケーターがポツリ。「やっぱりスケートはいいもんですね」と。そうなんですよ。自分はスケートボードをやり出してあっという間に四半世紀を超えちまい、何周か回って、いや実は1周も回りきれてないのかもしれませんが、「スケートはいいもんですよ」と断言できる、根拠はないけどね。「自分もスケートを始めてみたくて…」という方にもたまに出くわしては「やめといた方がいーよ、止められなくなるから。ヤクブツだから」と冗談混じりに言ったりしますが、それは「ぜってーやった方がいいぜ!」の裏返しの言葉。これを真に受けてか、興味を持っている風の口から出まかせなのかはわかりませんが、自分がきっかけとなりスケートにのめり込んだ人ってのはけっこー少ないす。積極的に人にすすめようとも思わなければ、「始めたら始めたであとは自分で勝手にやってろ〜」なスタンスなのだから、自分は勧誘活動がまるでダメな信者のようですね。
そんで冒頭の「やっぱりスケートはいいもんですね」に対する自分の返しがこちら。「30歳過ぎるとスケートがより楽しくなるよ」。かれこれ10年近く前、自分も20代後半頃にそっくりそのまま言われた言葉であります。これは都内の裏路地徘徊を生業(生きがい?)とするフィルマーの某インターンさんの言葉。いや、もうその頃にはその本当の楽しみとやらを理解し始めてたんですが、30を超えてからもその勢いが加速していくのだから恐ろしい。ね、言ったでしょ、「止められなくなるから、ヤクブツだから」と。
それはどういうことか? もういい加減その年頃になると、自分と人との滑りを比べるってことをしなくなってきます。比べないというか、上手い下手とか、優劣を気にしなくなってきます。その分、自分なりにどう滑っていくのか、いきたいのかってことにフォーカスするのが上手になっていきます。人と比べるというよりはいいところを観察して自分に活かすのが上手になっていきます。同時にもうちょっと幅広い視点でスケートボードやそれを取り巻くシーンや環境を観察できるようになります。それらが合わさって、よりスケートが楽しくなっていきます。スケートボードが人生の歩み方を指南してくれるもののように見えてきます。そうするとどうでしょう? ハイ、立派なスケートボード中毒者、熱心な信者の出来上がり。
これは若かりし頃にスケートで戦ってきたからこその感覚であるとも。思えば自分も大きな結果こそ残してないものの、10代20代の若かりし頃に戦ってきた自負くらいはあるもので、酸いも甘いも見てきました。今でも戦い、もがくこともありますよ。僕は10代前半でスケートを始め今に至るので、20代や30代またはそれ以降でスケートを始めた方の感じ方は自分と比べてどうなのかって比較ができません。しかし多少遅くにスケートを始めたあんな方こんな方が、若者と同じ、もしくはそれ以上の熱量で滑ったりしてて、「やっぱりスケートはいいもんですね」は年齢や歴に関係なく共有できる気持ちなのかと思ったりもします。
例の某インターンさん、僕より1回り上のいわゆるアラフィフ世代なんですが、よく言っておられます。「いつまでこんなことしないといけないのよ…」。それはもちろん、自嘲でありながら「いつまでもやってたいなぁ」の裏返しの言葉だと自分は解釈しております。
—Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)













