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純粋主義者のぼやき
──SKATE OR RAP

2024.11.01

 オリンピックをはじめ、大規模なコンテストが頻繁に行われるようになった今日でも「スケートボード=スポーツ」とされることに歯痒さを感じる自分であります。いや、身体は張るし、決められた時間内でランを決めて見てる側も割と納得のいくようなスコアがつけられるし、スポーツはスポーツなんだろうけど、それを認めたがらないのは老害街道をフルプッシュしてるようなもんか。そこは甘んじて受け入れるとしますが、やっぱり「スケートボード=アート」とされる方がしっくりくる保守派のスケーターもいまだ大勢いるはず。スコアを追うってよりも自身のスケートを追究する姿勢、というかその選択肢しかあり得なかった時代や環境で育ってきた自分がまさにその通り。もっと言えば料理に建築、手芸や執筆、ダンス、まぁなんでもいいんだけど、技術や個性を磨き、今あるものごとの現状を打破し、新しく何かを創り出そうとする試みはアートだと思いたいです。それがことスケートボードにおいては身体を使うものであるからスポーツと呼ばれがちなだけの話ですね。
 スケートカルチャーに接点のない方々とお話しすることは少なからずあるはずです。その会話の流れでスケーターの生態系を説明するにあたって僕が決まって例に出すのが「スケーターってミュージシャンっぽい」って話。楽器やマイクを持ったミュージシャンがやがてオリジナルの楽曲を生み出し、発表する。そこにはレコーディングやミキシングをしてくれたり、販売したりとさまざまな形でその活動をサポートする人やブランド、会社といったものが存在します。それはまるでスケーターがビデオを作り、発表する流れにそっくり。個人的には「スケートのフルパート=音楽のアルバム」だと捉えております。別にそこまでの動きをするでもなく、日常の楽しみでスケートをしたってOK。楽器や演奏するのが好きだけど、特に作品を作っているわけではない人が山ほどいるのと一緒です。そんな例え方をすると、結構みんな腑に落ちてくれるんすよね。
 ちょっと話はシフティ気味になりますが、スケボーも市場が大きくなりつつある中で、どうもキッズの活躍にメイクマネーを期待しているかのような親御さんの話なんてのも聞こえてきます。「メイクマネーに期待するんなら、スケボーじゃなくてラッパーにさせたら?」って僕は思うわけだ。当然ですがラッパーがラクに稼いでるとか言うつもりじゃないっす。確率、期待値の話ね。だって、真面目にスケボーやってる人ってどれぐらいいるよ? きっと真面目にラップやってる人よりもずっと数は多いはずだぜ。一方でウン千万、億稼いでるスケーターってどれだけいるだろうか? スケーターより数が少ないはずのラッパーはそれなりにいるからね。あんまり言うと僕もママに怒られるので、この辺でピースアウト。スケーターもたくさん稼げるといいのにね。

—Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 





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