1992年にリリースされたHalf Cab。スケートシューズ史に名を刻むこの一足は、なぜ30年以上にわたり世界中のスケーターから愛され続けているのか。大阪で開催されたVansのイベントで行われたショートインタビューを通して、その理由に迫る。
──STEVE CABALLERO / スティーブ・キャバレロ
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Photo_Simoyan
Special thanks_Vans Japan
VHSMAG(以下V): Half Cabが誕生する前にはオリジナルのハイカットモデルCaballeroがあった。スケートシーンでも初期のシグネチャーシューズのひとつだけど、どのような経緯で誕生したの?
スティーブ・キャバレロ(以下C): 1988年にVansからチームに誘われ、翌1989年には自分の名前を冠したシグネチャーシューズを作ることになった。そこで1989年に発売されたハイカットモデルCaballeroのデザインにも携わったんだ。その2年後、ストリートスケートが盛り上がり始めると、スケーターたちがハイカットを自分たちで切って履いているのを雑誌で見かけた。それを見て自分も実際に切って履くようになって、「これこそスケーターが求めているシューズだから、この形で作ろう」とVansに提案したんだ。それが1992年に発売されたHalf Cab。気がつけば、もう34年になるね。
V: 最初にハイカットを切って履き始めたのは誰だったの?
C: 誰が最初だったかについてはいろんな説があるけど、実際に見たのはフランク・ヒラタ、マイク・キャロル、ウェイド・スパイヤーたちだったね。Vansがその変化を受け入れてくれたことは本当にうれしかったよ。おかげでHalf CabはX Gamesやオリンピックを含め、何世代にもわたるスケーターたちに履かれ続けるシューズになったんだから。これまでのコラボレーションも気に入っていて、特に20周年のMetallicaモデルと30周年のBruce Leeモデルは印象に残っているね。
V: Half Cabが30年以上にわたって高い人気を維持している理由は何だと思う?
C: デザインの良さはもちろんだけど、Vansが素材やカラーを変えながら、つねに時代に合わせて進化させてきたことも大きいと思う。しかもスケートシューズとしての機能性はずっと変わらない。自分にとってスケートボードは、失敗を繰り返して成功をつかむもの。スラムを繰り返して、ようやくトリックをメイクしたときの喜びは何ものにも代えがたい。61歳になった今でも、子どもたちがHalf Cabを履いて滑っている姿を見ることができるのは、本当に名誉なことだと思っている。

V: 以前のインタビューで日本にルーツがあると話してたよね。そのことについて少し聞かせてもらえる?
C: 4分の1日本人なんだ。でも35歳のときに父が亡くなるまで、自分に日本のルーツがあることは知らなかった。父の葬儀で兄が弔辞を読んだとき、祖父の名前がサミュエル・ナカハラダだと知って本当に衝撃を受けたよ。それまでは、自分はスペイン系とメキシコ系のルーツを持つ人間だと思っていたからね。日本にルーツがあることをとても誇りに思っているし、日本の文化も食べ物も、人も大好きなんだ。いつかナカハラダ家のみんなにも会えたらうれしいね。
V: 長いキャリアのなかで、最も印象に残っている出来事をひとつ挙げるとしたら?
C: 一番印象に残っているのは、アマチュア時代に出場したエスコンディードのコンテストだね。ステイシー・ペラルタとスティーブ・キャシーがジャッジを務めていた。結果は5位だったけど、大会が終わった後にステイシーが来て、新しく立ち上げるPowell Peraltaに入らないかと誘ってくれたんだ。当時14歳だった自分にとって、その出来事は人生の転機だった。そのチームは後に、トニー・ホーク、ロドニー・ミューレン、ランス・マウンテンらを擁する伝説的なボーンズブリゲードになったんだ。
V: なぜひとつのブランドにこれほど長く忠誠を貫いてきたの?
C: それは、人との関係をどう築くかという自分なりの考え方なんだ。Vansとは1988年から、Powell Peraltaとはもう47年近い付き合いになる。どんな関係にも良いときも悪いときもあるし、いつもうまくいっていたわけじゃない。でも、その度に一緒に問題を乗り越えてきた。物事が順調じゃないときでも関係を大切にし続けることが、自分らしさだと思っているよ。
V: 今後予定している活動や新たに取り組んでいるプロジェクトは?
C: 今はバンドをやっていないから、アート制作を中心に、マウンテンバイクやモトクロスも楽しんでいるよ。これからもスケートを続けながら、「おじいちゃんスケーター」として元気でいたい。もうすぐ62歳になるから、ストレッチや健康管理は以前以上に大事になった。ケガの治りも遅くなったからね。アーティストとしてさらに成長しながら、応援してくれるファンのみんなに直接感謝を伝え続けていきたいと思っているよ。
Steve Caballero
@stevecaballero
1964年生まれ、カリフォルニア州サンノゼ出身。Powell Peraltaのボーンズブリゲードの一員として'80年代からシーンを牽引。世界初のシグネチャーシューズのひとつCaballero、そしてスケートシューズの定番として30年以上愛され続けるHalf Cabの生みの親。

















