'80年代後期にストリートスケートはフラットトリックからカーブ、レール、ハンドレールへと少しずつ進化を続けていました。でもそのなかで、まったく違うアプローチで強烈な存在感を放ったスケーターがいました。それがヴェニスビーチのティム・ジャクソン。
武器は独創的なウォールライド。当時もウォールライド自体は珍しいトリックではありませんでしたが、その可能性を誰よりも追求していたのがこの人。'90年に公開された『Risk It』では異次元ともいえるウォールライドを披露。ヴェニスビーチのコンクリートウォールを縦横無尽に駆け巡る姿は多くのスケーターに衝撃を与えました。後年、ボビー・プーリオも「ナタスの流れを受け継ぎ、その後にティム・ジャクソンがウォーリーをさらに発展させた」と語っています。
今ではウォールライドやウォーリーはごく一般的なトリックとなりました。ただしその自由な発想の礎には、壁を障害物ではなく滑走面として捉え、誰も思いつかなかったラインを描いたティム・ジャクソンの存在があります。
目の前の景色をどう見るかで、スケートの可能性は大きく変わる。そのことを誰よりも体現したのがティム・ジャクソン。壁を滑っただけではなく、壁そのものをスポットへと変えたスケーターだと言っても過言ではありません。この人にかかれば壁もトランジション。
ちなみに『Risk It』に収録されたパートは、同ビデオの出演ライダーが多かったため1分半という短めの尺。ということで、リリースから30数年ぶりにフルバージョンとしてディレクターズカットが再編集されることに。その本編は以下の動画の3:00から。心して観るべし。
—MK
















