ADIDAS SKATEBOARDING

スケートを続けたい。その思いだけで進んだ先にあったのがVANTANだった。創設1期生として3年間を過ごし、スケート漬けの日々を送りながら技術だけでなく、多くの出会いや経験を積み重ねてきた。現在はスポンサードライダーとして活動する一方で、講師として後輩を教える立場に。学生時代の思い出や、今だからこそ感じるVANTANの魅力を聞いた。
──KAYA SAKAKIBARA / 榊原佳耶

2026.07.30

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Photos_Taiyo Tanida
Special thanks_VANTAN

VHSMAG(以下V): まずはVANTANに入学しようと思ったきっかけを。

榊原佳耶(以下K): ずっとスケートボードをやっていて、中学2年の終わり頃に進路を決める時期になったんです。でも成績が全然足りなくて、行く高校がない。でもスケートは続けたい。学校の先生には「普通の高校に行かないと社会に出られないし、お金も稼げない」とずっと言われていました。それでも自分はスケートをやりたくて、親とも通信制にするか相談していたんです。お母さんは友達からVANTANのことを聞いていて前から知っていたんですけど、半年くらい僕には教えてくれなくて。最後の最後の手段として考えていたみたいです。最初に教えちゃうと「じゃあそこに行く!」ってなっちゃうから(笑)。半年くらい温めて、本当に普通の高校が難しいとなったタイミングで「実はこういう学校があるよ」って出してきたんです。それで「もうここに行く!」って即決でした。

V: 入学前はどんなスケートライフを送っていたの?

K: 一応陸上部には入っていましたけど、ほぼ幽霊部員でした。学校が終わったらすぐ着替えて新横に行って滑る。毎日そんな生活でした。

V: かなり本気のスケーターだったんだね。

K: 完全にガチスケーターでした(笑)。

V: VANTANはスケート学科の1期生として入学したんだよね。新設された学科に入る不安はなかった?

K: それはなかったです。講師の先生たちを昔から知っていたので。小さい頃に新横のスクールで(村岡)洋樹くんに教えてもらっていて、お母さんも先生たちのことを知っていたんです。「洋樹くんたちがいるなら安心だね」っていうのが決め手になりました。

V: 実際に入学してみてどうだった?

K: 最初は「こんなに自由でいいの?」って思いました(笑)。校則らしい校則もなかったです。本当に毎日スケートをして、たまに英語やデッサン、映像の授業がある感じでした。

V: 一番好きだった授業は?

K: やっぱりスケートです。滑る時間が一番楽しかったです。パークで滑る授業で時間割があって、「今日は舞浜」「今日は田町」みたいに行く場所が決まっていて、その時間にみんな現地集合する感じでした。恵比寿の校舎でデッサンなどをやったあとに滑る日もあれば、1日スケートの日もありました。スケートを軸に、英語や映像、アートも学ぶようなカリキュラムでした。

V: 当時で印象に残っている先生は?

K: イトシンくんですね。一番パンチがありました。イトシンくんにしかできない授業というか(笑)。普通じゃなかったですね。本当に自由でした。

V: 技術的な成長を感じたという実感はある?

K: めちゃくちゃあります。あの3年間がなかったら、今みたいには絶対滑れていないです。本当にスケートだけに集中していました。同級生にはヨシケン(吉岡賢人)もいて当時からWelcomeのスポンサーが付いていたので、「負けたくない」という気持ちで毎日滑っていました。

V: 当時の同級生は今もスケートの業界で活動しているよね。

K: そうですね。1期生は今でも活躍している人が多いと思います。ショップで働いている人もいるし、ブランドを始めた人もいるし。スケートを続けている人が多いですね。

V: ではスケートの技術以外で得られたものは?

K: スケート業界のいろんな人とつながれたことですね。企業の方やスポンサーの方と関わる機会が増えて、人とのつながりという面でもすごく成長できたと思います。

V: VANTAN卒業後、現在の活動を教えてください。

K: HUFやEyevolなどのスポンサーの仕事をしながら、Pretty Solidでスクールの講師をしています。(森中)一誠くんや洋樹くんと交代でVANTANの1年生も教えています。

 

V: 卒業生が今度は先生になる立場だね。

K: 不思議な感覚です。まだ生徒の気持ちも分かるし、先生側の気持ちも分かる年齢なので。「自分もこうだったな」と思いながら、注意しなきゃいけないところは注意しています。でも教えるというより、一緒に滑って、一緒に楽しむことを大事にしています。「やろうぜ!」っていう感じですね。

V: では卒業した今だからこそ感じるVANTANの魅力は?

K: 普通の高校からプロスケーターやスケート業界を目指すのって結構難しいと思うんです。でもVANTANにいると、自然と業界の人と関わる機会が増えますね。ただ、その環境があるだけじゃダメで、その中でも周りに流されず、自分でスケートを頑張っている人は卒業してからもちゃんと見てもらえているなと感じます。

V: 環境を活かせるかどうかは自分次第ということだね。

K: 本当にそうです。僕もひたすらスケートして、スキルを上げて、人とコミュニケーションを取って、覚えてもらうことを意識していましたから。

V: ちなみに最近は海外へ行く機会も多いんだよね?

K: はい。ツアーで中国やタイ、韓国にも行きました。特に中国は衝撃でした。ネットではほとんど情報が出てこないので未知の世界だったんですけど、行ってみたら「スケーターにとって最高の国じゃん!」って。海外に行くとスケートだけじゃなくて、対応力や忍耐力、コミュニケーション能力、サバイバル能力も身につくと思います。スケートがあるから普通の旅行では行けないような場所にも行けるし、その土地のディープなカルチャーを感じられるっていうか。

V: では今、一番力を入れていることは?

K: 元町にあるスケートショップLAUGのウェルカムパートです。スポンサーの話をいただいて、ショップの周年に合わせて公開できるように、1年くらいかけて撮影しています。

V: 進捗はどう?

K: あと1分も撮れれば完成するくらいです。ただ最近は暑いし、狙っているスポットも迷惑をかけないようタイミングを見ながら撮っています。

V: 近いうちにまた海外へ?

K: 8月は中国にいます。撮影もしながらですね。僕が行く街は本当に最高の場所で、プールもビーチもあって、サッカー場やバスケットコート、ジムもある。街並みはヨーロッパみたいで、全然中国っぽくないんです。Googleで調べても出てこない場所が多くて、実際に行って初めて分かることばかりでした。なので楽しんできます!

 


 

榊原佳耶
@kayasakakibara

VANTANスケート学科1期生。HUFやEyevolのサポートを受けながら、Pretty SolidやVANTANで講師も務める。国内外で撮影を続ける傍ら、横浜のスケートショップLAUGのウェルカムパートを制作中。

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