ADIDAS SKATEBOARDING

ヒルボムの途中で
──あの時のあの写真

2026.07.31

 地元から上京し、多少名のある大学に進学し4年間を過ごしたのち、単位もギリギリで卒業しました。いい大学に進学し、大手企業に就職し…という定番の成功イメージからは大きくコースアウトして今に至りますが、微塵たりとも後悔はありません。大学内ではそれまで遭遇したことがないレベルで価値観が合わずつまらなく思う集団もいれば、今なお付き合いのある仲間もわずかながらいたりします。いいヤツばかりじゃないけど、悪いヤツばかりでもない、そんな感じ。
 そんな大学の後輩にYくんという方がいます。ちょろっとスケートボードも嗜みつつ、メロコアを大好物としておりました。メロコアというか高速メロディック・ハードコア、「高速じゃないと興味がないんだ…」なんてよく言ってたような。そんなYくんも大学卒業の前後くらいだったでしょうか、高速メロディック・ハードコアなバンドを組み、その様子はSNSを通じて度々チェックする程度に見ていました。
 ある時、自分がインスタグラムにアップした写真がどうもYくんのお気に召したようで、「今度CD出すからそのジャケットに使わせてほしい!」という連絡が来たので快諾しました。「完成したら渡すよ〜」なんてやり取りもありつつ、そこからなんだかんだ時間だけが過ぎ、今になりました。先日Yくんのインスタストーリーを見ていると、その音源も2016年のリリースからすでに10年が経過したよう。YouTube上にもアップされていてたまに聴いていることもあり、これを機に久しぶりにコンタクトを取ってみたのです。そしたらその音源、最近掃除してたら2枚出てきたらしく、そのうち1枚を送ってもらったのです。
 音楽もサブスクや配信でのリリースが主流となった現在ですが、自分は今もCDやレコードを掘り漁って聴くのが好きなタイプ。なので実際にCDというフィジカルになったものを手にすることができたのは素直に喜ばしい。それがまさか自分が撮った写真が使われたジャケなんてなおさらうれしい。Gibberishというバンドの『Between Timid and Timbuktu』という3曲入りの初音源。ジャケの写真は12年前にサンフランシスコを訪れたときのもの。日中滑り終えて太陽が沈む頃、ステイしていた宿に帰る際に続く緩く長いヒルボムの途中でなんとなく撮ったのを覚えています、もちろんiPhoneで。写真に写っているスケーターは一緒に行っていた同郷出身の長堂良明。今やすっかりスケートダディっ酢。

—Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 



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