
Skate At Your Own Risk、スケボーは自己責任にて。法律がそう言っているわけじゃないですが、暗黙の了解として確かに存在するものです。スケートボードに乗って何をやってもいい自由の裏側に、何が起こってもそれは自分の責任。誰かに言われるまでもなく、教えられるまでもなく、スケートボードに乗り始めたその日からその責任を伴うことになります。たとえば大きな怪我をしてしまえば、大人は会社を休んで周りに迷惑をかけてしまうだろうし、休んだ分の給料も減り治療費も嵩むことでしょう。キッズや学生の場合だと、ママや先生に呆れられることでしょう。そうなるリスクと引き換えに、時に無茶なことに挑んでみたり、そんな自分との勝負に勝ってまたひとつまたひとつと進化を実感できるのがスケートボードの楽しいところ。もはや醍醐味といってもいいかもしれません。
そんな自己責任が当然であるはずのこの世界も変わりつつある…というのは言い過ぎかもしれませんが、その原則みたいのが崩れているような話も小耳に挟んでしまうわけでして。大多数の真っ当なスケーターには信じがたい話かもしれませんが、スクール中に起こったケガが先生のせいにされたり、コンテストでトリックをメイクできなかったのを、そのトリックを提案した先生のせいにされたり…ということが実際に起こっているようです。当事者たるスケートキッズというよりは、その親御さんが出てきてトラブルに発展するっていう形。トラブルなんて大抵誰かのせい、何かのせいで引き起こされるものだとは理解してますが、自己責任の原則が蔑ろにされるようなトラブルが起こってしまうのは由々しき事態。スケボーもここまで墜ちてしまったか…って世の中はオレは嫌っすね。
そこで僕はまた冗談みたいなことを閃くわけです。「いっちょスケートボード専門の保険屋でもやったるか!」と。これでスケーターについてまわる損害やリスクを保険がカバー。ケガはもちろん、万が一の器物破損やトラブルの解決、さらにはコンテストで入賞できなかった場合も補償が適用。ただしウィークポイントとしては保険料が月額10万円近い高額商品だってところさ。高すぎるだろって? それはそんな世の中にしてくれた「そいつらのせい…」。
—Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)
