ADIDAS SKATEBOARDING

1977-2026
──RIP MJ

2026.06.01

 MJことマーク・ジョンソンが5月26日に他界しました。死因は公表されていませんが、スケートコミュニティにとってあまりにも大きな喪失。ひとつの時代が静かに終わってしまったような、ぽっかりと穴の空いた感覚があります。
 2000年にenjoiを立ち上げ、サンノゼの強固なスケートコミュニティの存在を世界に知らしめた立役者のひとり。Chocolate移籍後も『Yeah Right!』でパートを披露し、その独創的かつテクニカルなスタイルでシーンに衝撃を与えました。さらにLakaiの『Fully Flared』では3曲構成の長尺パートでSOTYを獲得。『Pretty Sweet』での滑りもまたスケートビデオ史に残る名パートとして記憶されています。
 華麗なトリック捌き、流れるようなライン、そしてどこか文学的ですらあった空気感。MJは単なるスキルフルなスケーターではなく、スケートの表現の可能性そのものを押し広げた存在でした。
 その一方で、2016年にはシューズスポンサーを巡る騒動が勃発。詳細はここでは割愛しますが、断片的な情報や憶測が独り歩きし、本人の言葉よりもゴシップが優先される状況が生まれてしまった記憶があります。結果的に誤解が悲劇へと発展し、事情を知りもしない他人がひとりの人生を好き勝手にジャッジして面白半分に消費していく。当時はSNSの加速とともに、誰かを断罪する空気が日に日に強まっていたような気がします。正義感なのか、暇つぶしなのか、あるいはストレスの捌け口なのか。
 そして皮肉なことに、MJの訃報に追悼の意を表すIGのコメント欄でも、2016年の騒動が蒸し返され当事者に対する攻撃的な言葉が飛び交っています。誰かの死を悼む場ですら、このようなことになってしまうという…。意見を持つこと自体は自由ですが、SNSによって言葉があまりにも簡単に放たれる時代になった今、軽はずみかつ適当に書き込む乱暴な一言や投稿する1枚の写真が、誰かにどれほどの影響を与えるのか。その想像力だけは失ってはいけないと改めて考えさせられました。
 とりあえずここではMJの功績を振り返りたいと思います。そして彼がシーンに与えた影響を静かに記憶していきましょう。

—MK

 






 

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